本研究では、平成21年度から平成25年度にかけての研究期間を通じて、大学新入生の英語運用能力のうち特にスピーキングやライティングなど産出に関わる技能について、英語学習者が産出する言語データの分析を通じて学習経験と運用技能の関係を明らかにすることを最終的な目標としてデータ収集を進める。比較的同じような学習経験を経て大学に入学する新入生の英語運用能力についての継続的な調査となるため、経年的変化を検討するための基礎的な資料となることも期待できる。平成21年度には主として以下のような項目を中心に研究計画を実施した。 1.データ収集:対象とする学生について、英語学習経験などについてアンケート調査を行い、外部試験のスコアを記録し、授業での学習活動での発話音声をデジタル無圧縮録音するとともに、活動の状況をデジタル・ビデオに記録した。 2.データの電子化・加工:アンケート・試験用紙・同意書など紙媒体の資料を電子化し、学生が作成したプレゼンテーション資料や英語による文書をファイルとして収集し、対応関係を記録したほか、収録した音声データの一部について、書き起こしを付与した。 3.データの共有化に向けての用意:テストスコア・アンケート情報・各種ファイル・音声データなどについて、外部組織・研究者との情報共有に協力の意向のある学生に同意書への記入を求めた。 4.データの分析・解釈:Pearson Knowledge Technologies(旧Ordinate Corporation)を訪問してデータの分析と解釈に関して意見交換を行ったほか、関連分野の国内・海外の研究者とデータの分析・解釈について意見交換を行った。 5.研究成果の公開:.関連する国内・海外の学会・研究会等で研究の経過ならびに成果について報告した。
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