研究課題/領域番号 |
21320111
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
宇山 智彦 北海道大学, スラブ研究センター, 教授 (40281852)
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研究分担者 |
山室 信一 京都大学, 人文科学研究所, 教授 (10114703)
秋田 茂 大阪大学, 大学院・文学研究科, 教授 (10175789)
川島 真 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 准教授 (90301861)
守川 知子 北海道大学, 大学院・文学研究科, 准教授 (00431297)
池田 嘉郎 東京理科大学, 理学部, 准教授 (80449420)
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キーワード | 比較史 / 東洋史 / 西洋史 |
研究概要 |
最終年度の前年にあたる当該年度では、文献・資料の収集を引き続き行うとともに、成果の取りまとめを意識しながら、比較帝国史の具体的な論点について、論文発表につなげることができるようなペーパーの執筆や口頭報告を行った。メンバーのほとんどが2012年1月の北海道大学スラブ研究センター冬期国際シンポジウム「近現代帝国の比較」に参加し、帝国の統治技術、イデオロギー、相互認識・歴史認識、帝国の崩壊とその遺産、脱植民地化に対する諸大国の態度、アメリカの帝国性や中国の再帝国化の可能性などを議論した。特に、帝国中央とは異質な社会を統治する際の仲介者・協力者の役割、帝国の保守主義と近代化の関係、旧植民地の経済発展に対する帝国の遺産や外国援助の肯定的影響と否定的影響などについて、有意義な認識が得られた。また、諸外国の学会で成果を発表し、特にカザフスタンの学会では、ロシア帝国支配下のカザフ人の国際情勢認識に見られるリアリズム(階層的秩序の認識)と小国の発展モデルの追求(日本への期待など)を論じた。若手研究者を招いた研究会では、清末民国期中国における「回族」概念の創出と変容、ロシア帝国期のクルグズ人の農業と蜂起などについて、比較の観点から議論した。これらの作業を通じて、帝国史研究と近代化やグローバル化の議論を具体的な例に沿って接合させることができた。またヽ国内外の関連研究者とのネットワークをさらに広げることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
近現代の諸帝国やそれらの後継国の歴史について、多くの文献・資料を集めながら研究を進め、活発に議論をし、成果を発表してきた。その際、若手研究者を多く招き、外国人研究者とも積極的に交流してきた。
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今後の研究の推進方策 |
研究成果をさまざまな雑誌・論集で発表していく。また研究成果を国際的に発信し意見交換をするため、海外でワークショップを開くことを計画中。
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