研究課題
海外調査として、研究協力者をモスクワに派遣し、ロシア・ソ連の歴史認識に見る国家政策と学知の関係の調査にあたらせた。研究会活動としては、ロシア帝国論についての最新の著作の書評会、戦時期日本の大陸政策における仏教とイスラームの位置づけに関する研究会を組織したほか、清朝期モンゴルの地図、清末・民国期新疆のウイグル人の歴史認識、ロシア帝国期のクルグズ人首領層といった、帝国と民族や学知との関係に関する最新の研究成果を若手に報告してもらう会を開いた。そのほか、各メンバーが国内外の学会等で成果発表を行い、特に2012年11月にモスクワで開かれた帝国論に関する国際会議では、宇山が近代中央アジアにおける帝国(ロシア、清朝、イギリス)と現地諸勢力の関係について、秋田がイギリス帝国に協力しつつインド経済の自立・発展を担ったインド・ナショナリストたちについて報告した。上記諸テーマの研究、および過年度の研究の蓄積を通して、本研究は、①国土と住民を行政機構と学知によって綿密に把握し管理統制する、教育の普及により住民が国民・臣民としての義務をより効率的に果たすことができるようにするといった意味での近代化は、西洋帝国、非西洋帝国、植民地に共通した課題であり、強者と弱者の統合と差異化の両面に作用したこと、②中央と周縁、大国と小国の間に、非対称ではあるが一方的ではない多様な相互作用が生まれ、地方エリートや民衆が、帝国中央の情報・認識不足を利用して協力と抵抗を随時切り替えるという現象が多くの地域で見られたこと、③帝国の統治モデルにおいてもそれへの抵抗の方法においても、グローバルな規模での相互参照がなされたこと、などを明らかにした。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (21件) (うち査読あり 7件) 学会発表 (21件) (うち招待講演 10件) 図書 (6件)
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