研究課題/領域番号 |
21320115
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研究機関 | 立命館アジア太平洋大学 |
研究代表者 |
藤田 加代子 立命館アジア太平洋大学, アジア太平洋学部, 准教授 (90454983)
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研究分担者 |
中島 楽章 九州大学, 人文科学研究科(研究院), 准教授 (10332850)
桃木 至朗 大阪大学, 文学研究科, 教授 (40182183)
山下 範久 立命館大学, 国際関係学部, 准教授 (90333583)
田口 宏二朗 追手門学院大学, 国際教養学部, 准教授 (50362637)
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キーワード | 帝国 / システム / ネットワーク / 海域アジア / グローバル・ヒストリー |
研究概要 |
助成初年度にあたり、1.前近代アジアの帝国とネットワークに関する最先端の研究の総括、2.史料調査(碑文等の現地調査、文書館における史資料閲覧)とそれに基づく実証的な研究、3.新しい研究成果を次年度以降に国内外学界に向けて発信する準備としてのメンバー全員での討論、を軸に活動をおこなった。まず1について、AAWHアジア世界史学会第一回国際会議(大阪、2009年5月29日~31日)のBig Session 1 : World Empires and Supra-regional NetworksおよびSession 6 : Asian Empires and Maritime Contacts before the Age of Commerceを主催し、「帝国」と呼ばれる広域地域秩序(特に中国)の内部構造とその周辺との関係について、メンバー各自のこれまでの研究成果に先行研究の整理を交えて英語で発表した(オーガナイザー:藤田・向、報告:田口・中島・大橋・鈴木・山下・向)。この成果の一部は、当該科研のWorking Paper Seriesとして刊行準備中である。また本科研プロジェクトは大学における研究と歴史教育の接続を重視しているため、同会議においてメンバーの桃木がPlenary Panel Session : Education and World History : A Comparative Perspectiveを組織し、日・中・韓における世界史研究と教育の国際比較をおこなった。2については、主として夏期にメンバー各自がアジア(海南島、上海、ペルシャ湾沿岸)での現地調査および日本・ヨーロッパ(イギリス、オランダ)での史資料調査を実施した。さらに3について、2010度にシンガポールで本科研が主催する予定の国際ワークショップの第一回準備会をおこない、各自が今年度の研究成果を土台に個別報告をし、全員で討論をおこなった(別府、2010年1月23~24日)。本科研は、実証的な歴史研究・社会学等他分野との学際的対話・研究成果の国際的発信を重要な課題と位置付けているが、研究発表(学会発表、雑誌論文・図書の刊行)が示す通りいずれの課題も十分に満足すべき成果をあげ、かつ次年度の国際的な活動の準備も十全におこなうことができたと言える。
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