研究課題/領域番号 |
21320120
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小宮 木代良 東京大学, 史料編纂所, 教授 (90186809)
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研究分担者 |
佐藤 孝之 東京大学, 史料編纂所, 教授 (30170757)
松井 洋子 東京大学, 史料編纂所, 教授 (00181686)
山口 和夫 東京大学, 史料編纂所, 准教授 (00239881)
及川 亘 東京大学, 史料編纂所, 助教 (70282530)
木村 直樹 東京大学, 史料編纂所, 助教 (40323662)
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キーワード | 日本史 / 近世前期 / 西南諸藩 / 大規模軍役動員 |
研究概要 |
1.関連史料の調査・撮影対象として年度計画にあげた大名家のうち、(1)毛利家文書については、山口県文書館所蔵「毛利家文書」の「五六 継立原書」に含まれる初期藩政史料原本の一部の原本調査を行うとともに、「五五 旧記」に含まれる初期藩政史料の写本87点を調査・撮影した。(2)高知藩山内家文書については、土佐山内家宝物資料館所蔵「長帳(山内家御手許文書)」のうち、近年になって修補の済んだ分類「丙」の史料のうち三点を調査・撮影した。(3)広島藩関係史料については、広島県立文書館所蔵澁谷家文書の原本校正、同館の広島関係史料写真帳(門藤家文書・不動院文書等)を調査した。(4)和歌山藩関係史料については、和歌山県立文書館蔵の「紀州家中系譜並に親類書」の調査を行い、全322冊の写真ファイルのうち約二分の一の調査を終えた。(5)佐伯藩関係史料については、佐伯市教育委員会蔵佐伯藩政史料を調査し、近世初期の史料126点を撮影した。(6)島原藩関係史料については、藩主松平家菩提寺本光寺所蔵史料を調査し、うち近世初期の史料約450点を撮影した。また、年度計画には掲げていなかったが、(7)岡山市教員委員会所蔵幕府旗本花房家史料の調査を行い、近世初期の史料を中心に133点を撮影した。(8)大徳寺龍光院において、福岡城主黒田長政関係史料の調査を行い、96点の史料を撮影した。(9)広島県立文書館において福山藩関係史料の複製(水野家文書・小場家文書)を調査した。 2.昨年度に引き続き山口県文書館所蔵毛利家文書の一門・重臣家の「譜録」所収文書の目録化を行った。さらに、継立原書中の初期藩政史料の目録化を継続した。また、編纂所謄写本「池田家中某氏島原陣覚書」他8点を翻刻した。 3.以上の蒐集史料からの近世初期の幕府による大規模動員関連史料を抽出し、分析作業を進めた。 4.代表者・分担者による研究会を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
西南地方諸藩伝来の近世前期史料蒐集は、これまでに順調に進捗し、撮影したデジタル画像データ分だけでも2万5千コマを超える(この他、マイクロフイルム・紙焼購入・コピー等多数)。また、そのうち、毛利家文書を中心として史料情報の目録化を進めた。その結果、近世前期における公儀普請等の平時軍役動員・島原乱等の戦時軍役動員に関する新史料を多数見いだすことができた。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、最終年度となるので、依然残されている未蒐集の史料の確認・調査を一方で進めるとともに、基本的には、これまでに蒐集した史料の整理・分析作業に取り組む。その成果の一部を、年度途中の研究会において情報交換し、再整理した上で、年度末に全体の成果を報告書としてまとめ、公開する。
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