研究課題
1)4年計画の最終年度にあたり、この間推進してきた研究の総括と個別研究結果を文章化する作業を行った。戦前期に朝鮮半島で研究活動を行い、朝鮮知の基礎を形成した個別研究者の動向とその成果、および日韓両国の学界に対して提供した基礎の意味について分析した。本年度は下記のような作業を行った。2)京城帝国大学、朝鮮史編輯会を中心とした、戦前期朝鮮に存在した朝鮮学研究機関の組織と人材について、関係する一部の朝鮮人研究者も含めて概括を行った。それら機関が戦後の韓国学界において果たした役割を基礎として、戦前期の蓄積が研究資産として戦後の研究構築にもっていた価値を分析した。3)日本人主要研究者の研究を跡づけ、古代史学、中世史学、近代政治学、近代経済学、文化人類の各分野ごとに、戦前期日本人の朝鮮研究の概観的把握を行った。4)日本の図書館等における、戦前期日本人研究者収集にかかる朝鮮関係文献資料コレクションの調査結果をまとめ、目録的整理を行った。コレクション成立前後に作成された目録の不備を補い、蔵書の全体像を正確に把握するとともに、蔵書の性格を検討する基礎を造成した。対象としたのは以下の各コレクションである。①阿川重蔵収集本を中心とした東京大学総合図書館所蔵朝鮮本、②河合弘民収集本を中心とした京都大学付属図書館朝鮮本、③佐藤六石収集本を中心とした大阪府立中之島図書館所蔵韓本、④今西龍所蔵本を中心とした天理大学図書館朝鮮本、⑤山口県立大学図書館所蔵寺内正毅収集朝鮮本。5)韓国の図書館等の帳簿・目録・蔵書類を調査し、戦前期に日本人が関与した様相を概括した。対象としたのは以下の各機関である。①ソウル大学奎章閣、②ソウル大学中央図書館、③韓国学中央研究院蔵書閣、④韓国国立中央図書館である。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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コリア研究
巻: 4 ページ: 1,21
歴史学報(韓国、ソウル)
巻: 216 ページ: 57,80