研究課題/領域番号 |
21320134
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研究機関 | 京都外国語大学 |
研究代表者 |
堀川 徹 京都外国語大学, 外国語学部, 教授 (60108967)
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研究分担者 |
矢島 洋一 京都外国語大学, 外国語学部, 非常勤講師 (60410990)
磯貝 健一 追手門学院大学, 国際教養学部, 准教授 (40351259)
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キーワード | 中央アジア / イスラーム社会 / ロシア帝国 / 文書史料 / パーレン視察団 / 国際研究者交流 / ウズベキスタン / 近代史 |
研究概要 |
本研究では、研究分担者の矢島を中心、に行政制度の解明を目指すA班と、同じく磯貝を中心に法制度の研究を担当するB班とを組織し、研究代表者の堀川が全体を統括する体制をとっている。また、研究史料である古文書の調査・研究をもう一本の柱として、平成23年度もプロジェクトを進めた. 1、研究の推進 (1)A班は、平成22年度にパーレンのトルキスタン視察報告書に関する基礎的知識の確認を行ったが、平成23年度は、前年度より実施している報告書の訳註作業を、矢島をリーダーに分担して進めている。作業は概ね順調で、プロジェクト終了までに一定の成果を公表できる見通しがついた。 (2)B班は、平成23年度に2回の「中央アジアの法制度研究会」を開催した(通算第9回:6月25日、第10回:12月3~4日)。第9回の研究会は、研究協力者の塩谷哲史とモンゴル語文書研究者のアラムス(神戸大学)を講師として京都外国語大学で、第10回は研究協力者の伊藤知義と桑原尚子(高知短期大学)、分担者の矢島が静岡大学で研究発表を行い、最終的な研究の取りまとめをにらんだ討論を実施した。 2、古文書史料の調査・研究 (1)平成23年度は、8月19~27日の間、ウズベキスタン共和国において古文書史料の調査・収集を行うとともに、ウズベキスタンの研究協力者たちとともに、今までに集積したデータの整理を進め、ヒヴァで収集した古文書のカタログ出版をめざし、解読と原稿作成の作業にはいっている。 (2)古文書研究の成果を広くわが国の研究者と共有する目的で、平成14年度以来開催してきた「中央アジア古文書研究セミナー」は、平成24年3月24日に通算第10回のセミナーを開催し、磯貝と矢島が講師となって、ウズベキスタンで収集しデータを持ち帰った古文書の講読を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の目指すところは、歴史学研究者と法学研究者とのコラボレーションにより、ロシア帝国の支配が中央アジアの現地社会に及ぼした影響を解明することであるが、歴史研究者による文書や報告書を核とした研究も、法学研究者による比較法学的研究も順調に進められている。また、テーマに関わる両者の議論もかみ合ってきており、研究の新たな地平が開ける可能性も見えてきたからである。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は、今年度に研究最終年を迎えるため、平成24年度中に研究成果の取りまとめを行い、それに基づいて、本研究のテーマを題材とした単行本を平成25年度中に刊行することを計画している。もっとも、個別の研究については、まだ不十分なもの、あるいは未完成のものもあり、例えば、パーレン視察団報告書の訳註作業は、膨大な報告書の一部を手掛けたにすぎず、中央アジアの古文書カタログも継続した作業が必要である。本研究で扱ってきたこうしたテーマについては、今後とも研究を続けていく必要性があることは言うまでもない。
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