研究課題
本研究の目的は、研究代表者と分担者が、研究協力者(海外共同研究者)の協力を得つつ、10世紀から14世紀にいたる間の南インドのタミル語およびカンナダ語の刻文を検討することにより、先行する時期から生み出されてきたヒンドゥー教思想の新しい理念が、当該時期における宗教運動の展開とどう関連し、社会の変化とどう関わり合ったのかを明らかにしようとするものである。21年度の実施計画は、研究代表者と分担者が先ずドイツに赴き、研究協力者のクルケ教授と研究手法について協議し、その後、インドに赴いて、インド人研究協力者の助力を得て、刻文テキストを中心とした史料の蒐集および読解を行うこと。その後、インド人研究協力者に来日を乞い、刻文史料の解読と分析を行い、さらに、中間報告としての論文作成を試みることであった。訪独、訪印および招聘の時期と期間、さらに研究協力者に変更はあったものの、その三つの計画は全て成功裏に実施され、目下、研究代表者とインド人研究協力者が論文作成作業の続行中である。21年度の実施計画になかったこととしては、クルケ教授との協議により、宗教運動の背景を多角的に検討すべく、然るべき研究者を招聘してセミナーを行うこととし、南インドの研究者、ヴェルタット、ヴァリヤー両教授と、オーストラリア(元スリランカ)のインドラパーラ教授の3名を、本来の研究協力者スッバラーヤル教授と共に招聘し、中世南インドにおける宗教運動についてのセミナーを行った。22年2月22日に東京外国語大学サテライトで行ったこのセミナーは、3教授の報告と、日本の然るべき研究者との議論を通じて、大きな成果を上げることが出来た。
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Nagapattinam to Suvarnadwipa,(ed.Kulke, et al.)(Institute of Southeast Asian Studies, Singapore)
ページ: 20-60
ページ: 135-157