研究課題/領域番号 |
21320157
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
藤井 正 鳥取大学, 地域学部, 教授 (20165335)
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研究分担者 |
伊東 理 関西大学, 文学部, 教授 (70116309)
高木 恒一 立教大学, 社会学部, 教授 (90295931)
谷口 守 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 教授 (00212043)
堤 純 愛媛大学, 法文学部, 准教授 (90281766)
山下 博樹 鳥取大学, 地域学部, 准教授 (00314568)
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キーワード | 都市圏 / 多核化 / コンパクトシティ / 都市整備 / 社会構造 / 郊外 |
研究概要 |
各分担テーマについての研究を進め、別掲のような業績としてまとめるとともに、2012年3月17日には人文地理学会都市圏部会において、「大都市圏の社会・空間構造の変化と社会学・地理学からの検討」と題するシンポジウムを行った。これは、人口減少社会に入り転換点を迎えた大都市圏の空間的な構造変化に関して、社会経済的なメカニズムを含めて考察を進め、コンパクトシティなど政策面も視野に入れつつ議論を展開していく企画で、本研究の分担者で社会学から大都市圏の空間構造の研究をすすめてきた研究者と、地理学からの大都市圏構造に関する研究との間での議論をはかった。報者は、代表者の藤井の趣旨説明、高木「住宅政策と空間構造:東京圏の場合」、浅川「KS法クラスター分析による2大都市圏の構造比較」、豊田「世帯所得の地域格差から見た大都市圏の構造」、谷「三大都市圏における通勤流動の変化とその要因」である。そこから、団塊世代の引退とともに色あせつつある「豊かな郊外」と、それに代わって現出している「豊かな都心」の出現、社会地区のパターンの構成メカニズムについて、従来の同心円パターン崩れており、今後どのように追求していくべきか、また分析で抽出された複合市街地の政策的な意味など、今後の研究展開が求められる諸点が明らかとなった。これら以外では、伊藤の全国の中心市街地活性化計画に関する分析では、多核的都市圏整備において個性的核をつくるという都市整備の方向性と深く関連する共通性が抽出され、国際比較においても中心地群の再編などの研究をすすめ、上記とも共通する同心円的な一般パターンから地区の社会的特性によるモザイク化、生活空間の縮小の傾向なども示された。3年間の研究成果は202ページの報告書にとりまとめた。これらの研究成果は、今後の都市圏構造研究や多核的な都市整備に重要な論点を堤供するものである。
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