研究課題/領域番号 |
21320158
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
平井 松午 徳島大学, 大学院・ソシオ・アーツ・アンド・サイエンス研究部, 教授 (20156631)
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研究分担者 |
溝口 常俊 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 教授 (50144100)
小野寺 淳 茨城大学, 教育学部, 教授 (90204263)
礒永 和貴 東亜大学, 人間科学部, 准教授 (10201922)
鳴海 邦匡 甲南大学, 文学部, 准教授 (00420414)
渡辺 誠 富山市科学博物館, 付属天文台, 主幹学芸員 (30373484)
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キーワード | 近世実測図 / 測量技術 / 古地図 / GIS / 地図情報 |
研究概要 |
本研究課題「近世実測図を活用した古地図GIS解析法の構築」の研究目的は、1)各地に所蔵される近世後期に作成された実測図(もしくは実測図系絵図)の作成法とその記載内容・精度の比較検討、2)近世実測図のGIS解析への適否の検討を通じて、3)近世実測図を活用したGIS解析法の確立と、4)本研究を通じて構築される古地図GISメタデータの公開による歴史GIS研究の普及・促進にある。 平成23年度には、共同研究者が分担して射水市新湊博物館(金沢藩)、鳥取県立図書館・博物館(鳥取藩)、佐賀県立図書館(佐賀藩)、熊本県立図書館(熊本藩)等において調査・収集してきた近世実測図・城下絵図の分析ならびにGIS解析を進めた。その成果については、人文地理学会第273回例会(特別例会、鳥取市)、公開で行われた2011年度日本地理学会秋季学術大会シンポジウム「近世期の測量絵図と歴史GIS」(9月24日、大分大学)、および同大会「地図・.絵図資料の歴史GIS研究グループ」第6回研究集会や第30回国絵図研究会鳥取大会(9月25日、鳥取県立博物館)における研窒発表などで報告され、その中では、「廻り検地」だけでなく三角法も用いた近世測量図の測量法や絵図の精度についても検討された。また、絵図のGIS解析により、絵図作成当時の偏角の計測が可能であることも明らかになった。 さらに、同上シンポジウムでは琉球国の近世針図、平成24年3月29日開催の「地図・絵図資料の歴史GIS研究グループ」第7回研究集会では明治期の地籍図に関する謙演・発表を通じて、近世測量図の技術的伝播・継承についても検討することができた。これら成果については、平成23年度末までに報告書原稿として提出してもらい、最終年度となる平成24年度の研究活動につなげる予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成23年度は、21・22年度に作成した高精細絵図画像データや収集資料をもとに、絵図の分析ならびに古地図GISの解析を進めるとともに、計画通り2011年度日本地理学会秋季学術大会(大分大学)においシンポジウム「近世期の測量絵図と歴史GIS」を開催することができた。
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今後の研究の推進方策 |
現在、2011年度日本地理学会秋季学術大会(大分大学)におけるシンポジウム「近世期の測量絵図と歴史GIS」をはじめとする研究成果報告をもとに、学会誌等への投稿を推進するとともに、研究成果を報告書としてまとめる作業に着手している。研究代表者・分担者・協力者により編集委員会を設けており、研究成果(提出原稿)の内容については相互に検討し合う体制をとっている。また、本科研により構築された古地図GISメタデータの一部については、専用サイトを通じて公開することも検討している。
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