研究課題/領域番号 |
21320160
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
吉成 直樹 法政大学, 沖縄文化研究所, 教授 (80158485)
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研究分担者 |
中本 謙 琉球大学, 教育学部, 准教授 (10381196)
永瀬 克己 法政大学, デザイン工学部, 教授 (30061237)
間宮 厚司 法政大学, 文学部, 教授 (30199913)
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研究期間 (年度) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | グスク時代 / 社会変革 / 城久遺跡群 / 城塞型大型グスク / 倭寇 / 内的発展論 |
研究概要 |
最終年度にあたるため、総括として沖縄島におけるグスク時代の社会変革の画期と、その社会変革の要因を中心に検討した。 沖縄島のグスク時代の社会変革の画期は、11~12世紀のグスク時代開始期と、グスクに基壇建物が造営され、城塞型の大型グスクが構造化される14世紀中頃の、ふたつの時期である。これらの画期においては、前代との間に大きな社会的断層が存在し、沖縄島内部で連続的に発展したとみなすことはできず、外部からの渡来者を含む影響を想定する必要がある。前者については、琉球弧全域にわたる土器文化圏や交易圏の形成を考えるにあたって奄美群島の喜界島(城久遺跡群)の役割を無視できず、また後者については14世紀半ば以降の中国における元明交替期の混乱や倭寇が活発化する状況を考慮する必要がある。ことに14世紀半ばの画期は、その直後に琉球の三山が明に朝貢する時期にあたり、城塞型大型グスクの形成と明への朝貢の間には関連が想定される。 以上の外部からの衝撃を重視する結論に対し、従来の歴史学・考古学研究においては、グスク時代から琉球国形成にいたる過程を内的発展論で説明することに終始してきた。今後、その要因を検討する必要があるが、その主たるものとして、沖縄の人びとの経験(太平洋戦争末期の地上戦、米軍統治、1972年の日本復帰後も続く基地問題など)に基づく心情にあるのではないかとの見通しを得た。つまり、沖縄のアイデンティティーを問うことによる帰結、即ち琉球・沖縄と日本との差異(沖縄の独立性・独自性)の強調である。 今後に残されたもうひとつの課題は、弥生時代並行期からグスク時代にかけて大きな役割を果たしていた、九州西岸地域から琉球弧にいたる交流ルートの持つ意味の解明である。 また研究成果報告書を作成し、各研究分担者・協力者が研究期間の研究を総括するとともに、本研究全体を集成する作業を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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