研究課題
本研究の研究目的は、(1)ローマ法文の日本語訳の収集と検討すること、(2)(1)の成果を日本民法の理解に役立てること、および(3)日本民法典の改正作業に資することの3点である。上記の目的のため、前年度に引き続き本年度も、これまで約25年間にわたり九州大学サヴィニー研究会等で内部的に蓄積されてきたローマ法文の日本語訳および収集された日本語訳を中心に、電子データーベース化の作業を進めてきた。また、ローマ法文研究を基盤に、日本民法・民法改正に対して種々の提言を行う前提として、平成23年10月16日に、ボン大学のロルフ・クニューテル教授を招聘して研究会を開催し、ローマ法文の翻訳、およびローマ法を基盤として、民法改正について検討した。また、研究組織自体においても、今年度も引き続き、ローマ法研究会、サヴィニー研究会および民事法研究会を通じて、新しいローマ法文の翻訳・蓄積するとともに、ローマ法と日本民法および民法改正との関連について、研究組織構成メンバー間での議論を深めてきた。本年度は、さらに、上記の研究成果の公開にも着手している。ホームページのほか、法政研究誌上で研究成果の公表を開始している。また、平成22年7月から研究組織に加えた連携研究者を9月から10月にかけてドイツ派遣し、ドイツにおけるこの方面の専門家のもとでローマ法文の翻訳の現状について調査させるとともに、スペインで開催されたローマ法に関する学会にも参加させ、研究組織の研究を踏まえて報告を発信したなお、帰国後の同連携研究者を通じて、ローマ法文の翻訳について国際水準の議論を、研究組織のメンバーで共有している。
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法政研究
巻: 77(3) ページ: 576-620
巻: 77巻1号 ページ: 283-310
http://www.law.kyushu-u.ac.jp/~tanaka/