研究課題
本研究の特色・独創的な点は,(1)ローマ法文の日本語訳の蓄積を集約・検討し、(2)日本民法の理解と民法(債権関係)の批判的検討に役立てることにある。前年度に引き続き、平成23年度は、学説彙纂を中心として、(1)翻訳の収集を引き続き行い、(2)日本語訳の電子データ化を継続した。また、(3)収集された翻訳の検討・整理を継続して行い、(4)ローマ法が日本民法典の関係を引き続き研究し、(5)これまでの研究を踏まえて、民法(債権関係)改正に対して提言を行った。とくに平成23年度は、プロジェクトの最終年度として、研究成果の公表に力を入れた。民法(債権関係)改正に対して、ローマ法の観点から、批判的な提言を行う論文をだけでなく、とくにこれまでの研究成果を国内のみならず国外に向けて発信した。いずれもドイツにおいて、ローマ法と日本民法典について(田中)、ローマ法を基盤とするサヴィニーの法学の日本における受容について(赤松)、発表を行った。また、ローマ法源の翻訳の収集、整理に当たってきた協力研究者により、平成24年3月11日、京都大学ローマ法研究会で、本研究の作業を踏まえた報告がなされた。研究成果は、論文・学会発表のほか、とくにローマ法の日本語訳については、ホームページでも引き続き公表し、日本の研究者、実務家、立法担当者等が自由に利用できるものとして提供されている。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)
法政研究
巻: 78(2) ページ: 303-346
巻: 78(1) ページ: 140-168
http://www.law.kyushu-u.ac.jp/~tanaka/