これまで日本と台湾の憲法研究者の研究交流を深めることを目的として活動してきたが、2009年度の共同研究会で5回目を迎えることになった。今回は台湾側が来日し、2010年2月21日に早稲田大学国際会議場会議室において研究会を開催した。 共同研究会のプログラムは、次のとおりである。 第1テーマ「行政権 大統領制」 顔厥安(台湾大学法律学院教授)「総統を憲法上の最高行政権機関とすることについて」 大石眞(京都大学教授)「半大統領制-大統領制と議院内閣制の間-」 第2テーマ「現代的人権の実効的保障」 李建良(台湾大学法律学院教授)「表現しない自由および名誉権の憲法的保障と法益の均衡-司法院大法官の「公開の謝罪の強制」に関する憲法解釈についての分析」 佐々木弘通(東北大学教授)「国歌斉唱行為の強制と思想良心の自由」 黄舒芃(中央研究院法律学研究所準備処研究員)「職業留保政策における立法裁量-第649号解釈をめぐって」 畑尻剛(中央大学教授)「違憲状態に対処するための多様な手法-国籍法違憲判決」 参加者は報告者のほか、台湾側、葉俊榮教授(台大)、蔡茂寅教授(台大)、黄昭元教授(台大)、蔡宗珍副教授(台大)、張文貞副教授(台大)、日本側、園部逸夫(元最高裁判事)、岡田信弘(北海道大学教授)、小山剛(慶応大学教授)、鈴木秀美(大阪大学教授)、戸波江二(早稲田大学教授)、毛利透(京都大学教授)、松平徳仁(一橋大学大学院法学研究科研究員)、但見亮(早稲田大学助教)、松井直之(首都大学東京助教)、御手洗大輔(早稲田大学助手)、武田芳樹(早稲田大学助手)、高橋雅人(早稲田大学大学院生)である。 台湾と日本それぞれで今日焦点となっている憲法問題について、有意義な意見交換の機会を持つことができた。
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