研究課題/領域番号 |
21330010
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
大沼 保昭 明治大学, 法学部, 教授 (50009825)
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研究分担者 |
斎藤 民徒 金城学院大学, 現代文化学部, 准教授 (10401019)
川副 令 日本大学, 国際関係学部, 助教 (40292809)
豊田 哲也 国際教養大学, 国際教養学部, 助教 (40436506)
伊藤 一頼 静岡県立大学, 国際関係学部, 講師 (00405143)
申 惠手 青山学院大学, 法学部, 教授 (20286222)
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キーワード | 国際研究者交流 / アジア / 国際法 / 多極化世界 / 文明 / 東西交渉史 / 欧米中心主義 / 国際関係論 |
研究概要 |
本共同研究は、多極化・多文明化へと向かう今日の国際社会の現実が、欧米中心の現行国際法秩序の再考を迫っているという問題意識の下、21世紀の国際社会の現実に即した国際法秩序のあり方を模索し、研究の公刊を通じてその理解を広めようとするものである。その際特に、世界人口の過半数を占め、歴史的に豊かな文明を生み出しながらも、国際法秩序の形成にその地位に見合った役割を果たすことなく、欧米中心の国際法秩序の消極的受容者と見なされてきたアジアの存在に着目し、21世紀の国際法秩序におけるアジアの位置、その貢献可能性に焦点を当ててきた。 本年度は欧米国際法史におけるアジア不在という問題を考えるために、共通文献としてカール・シュミット『大地のノモス』を取り上げ、8月に朴培根氏(釜山大)を招聘した研究合宿を開催、11月にM・リースマン氏(イェール大)、古賀敬太氏(大阪国際大学)、大竹弘二氏(南山大学)を招聘した共同研究会を開催した。2月研究会では、来年度以降、現行国際法秩序におけるアジア不在の問題を乗り越え、新たな国際法秩序を具体的に考えていくためのステップとして、酒井哲哉氏(東京大学)を招聘し、近代日本の国際秩序論において国際法がどのような位置づけを与えられてきたのか、近代日本の国際秩序論の形成に国際法学者はどのような貢献をしてきたのかを検討した。 しかしアジア不在の国際法秩序という問題はなぜ生じてしまったのだろうか。この問題はすべて欧米の帝国主義・植民地主義に還元できる話なのだろうか。アジアにおける国際法学のあり方には問題はなかったのか。こうした問題意識の下、来年度は、アジアを中心とする各国から第一線の国際法学者を招聘し、アジア各国における国際法学の歴史と現状、及びその比較研究を行い、21世紀のアジアと国際法秩序との関わりについて包括的検討を進めていく予定である。
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