研究課題
本年度は、研究期間の最終年度にあたることから、これまで3年間の研究成果をふまえ、最終成果の総まとめを行った。具体的には、昨年度の京都会議において、台湾の王欽彦副教授から、日韓と台湾の間での司法共助実施上の問題(台湾は日本・韓国において国家承認を受けていないために、三国の間での国際民商事紛争の解決を図るうえで障害になっていること)について重要な問題提起がなされたことを受けて、その対応を検討した。その結果、交流協会や亜東協会といった実務処理機関を通して送達等の事務を行うことで問題を克服する可能性があるとの認識に至り、それに関して中野と王副教授が細部をすり合わせて検討し、日本では「国際商事法務」誌に日本語論文を、台湾では静宜大学研究紀要に中国語で論文を公表した。目下、両名において英語論文も準備しているが、年度内に公表することはできなかった。このほか、各研究分担者において、国際民事手続法に関連するこれまでの各自の研究結果を取りまとめたものをとりまとめ、個別に公表した。同時に、研究成果の総括を目的として、2012年9月7~9日に韓国・韓陽大学においてKorea-Japan-Taiwan Private International Law/International Civil Procedure Law Symposium 2012を開催した。そこでは、韓国・日本・台湾における国際裁判管轄の規律に関する研究報告のほか、昨年度の京都シンポジウムで成案を得るに至らなかった国際訴訟競合の規律について韓国側パネリストから報告がなされ、討議の上、共同提案が合意された。国際裁判管轄の規律に関しては、各国間での隔たりが相当程度残されていることが確認されたことから、今後、日本・韓国・台湾での共同研究を継続的に行い、議論を活性化してゆくことの必要性が確認された。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Japanese Yearbook of International Law
巻: 55 ページ: p.263-286
国際商事法務
巻: 40-4 ページ: 525-536頁
静宜法律
巻: 1 ページ: 165-193 頁
阪大法学
巻: 62-3・4 ページ: 29-52頁
仲裁とADR
巻: 7 ページ: 107-113頁
論究ジュリスト
巻: 2 ページ: 108-116頁
Osaka University Law Review
巻: 60 ページ: 1-12頁
国際私法研究(韓国国際私法学会誌)
巻: 18 ページ: 279頁-331頁