研究課題/領域番号 |
21330013
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
井上 英夫 金沢大学, 法学系, 教授 (40114011)
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研究分担者 |
棟居 徳子 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 講師 (50449526)
土屋 貴志 大阪市立大学, 文学研究科, 准教授 (90264788)
中川 恵子 (末永 恵子) 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (10315658)
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キーワード | 患者の権利 |
研究概要 |
本研究はハンセン病政策の過ちを教訓として、患者、家族そして人々の人権保障とりわけ健康権を保障する、すなわち人権保障の観点から、社会防衛としての感染症対策を克服するための原理と具体策を提起するものである。初年度である2009年度は、(1)ハンセン病政策の歴史変遷、(2)国際動向とりわけ健康権に関する議論と政策、(3)日本における医学医療犯罪と倫理の解明の三つの方向性で研究を進めた。 その結果、(1)ハンセン病政策の歴史変遷の異同については、19世紀以降の隔離政策の内容と各国の議論と影響につき検討し、一部が明らかになった。成果の一部として国際シンポジウム(国立ハンセン病資料館と共催2010年1月に2回開催)を開催した。(2)健康権に関する議論及び政策の国際動向を把握につき資料収集と分析が進み、成果の一部については図書(井上)や雑誌論文(棟居)で公表した。(3)日本における医学医療犯罪と倫理の解明、人権保障の観点からの検討では15年戦争下での状況をとりあげ、医学、医療の実態解明については、満州国立癩療養所同康院に関する実態解明が進み、また同時代の同仁会や当時の研究者の姿勢などの解明が進んだ。成果の一部は雑誌論文(中川(末永)、西山、鈴木等)として公表した。 2010年度は2009年度に行った三つの方向性に沿って引き続き調査研究を行う。医学・医療とりわけ感染症対策・政策にとり重要な19世紀後半、1940年代、現代に焦点を絞り比較調査研究を続ける。とりわけ(1)につき中国、ノルウェーを調査国としているが、異同の特徴を明らかにするために米国、マレーシア等の地域についても対象とする予定である。
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