研究課題
本研究はハンセン病政策の過ちを教訓として、患者、家族そして人々の人権保障とりわけ健康権を保障する、すなわち人権保障の観点から感染症対策を克服するための原理と具体策を提起するものである。2年目である2010年度は、(1)戦前の日本の感染症対策-ハンセン病政策の実態解明として、(1)ハンセン病対策の時代ごとの特徴を明らかにする、(2)「医の倫理」に関する国際、国内における議論を整理する。(3)医学犯罪と患者の人権については、戦時下に行われた医学犯罪について真相究明に努める。(2)感染症対策における患者の権利に関する国際研究として、(1)健康権、患者の人権思想の変遷を整理する。(2)医療政策形成と医療体制の実態を明らかにする。(3)近現代における中国の医療政策等を整理する。実施計画に基づき、調査としてはノルウェー調査(井上、鈴木)及び中国調査(西山、末永)を行った。また昨年度の研究成果の一部として、「日本の科学者」(日本科学者会議編、2011年1月号)にて「〈特集〉ハンセン病医療政策と人権保障-ノルウェーとの比較において」を公表した。他、成果の一部の公表としては、(1)戦前の日本の感染症対策としては、「癩予防ニ関スル件」制定過程の特質を明らかにし(鈴木)、戦争時の医学、医療実態の一端を明らかにした(西山、末永)。(2)については、健康権の歴史的展開と現代の特徴と具体化の指針について整理、検討した(井上、棟居)。なお、「日本の科学者」掲載された以下も本研究の成果の一部である。宇佐美治「患者からハンセン病隔離政策を問う」、〓昭三「日本のハンセン病政策と医師、医学界の責任」、ユングベ・ネドレボ「患者の視点からノルウェーのハンセン病政策を振り返る」、シグール・サンドモ「国際的視点から捉えるノルウェーハンセン病政策とスティグマ」
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月刊国民医療
巻: 1月号 ページ: 21-30
日本の科学者
巻: 46-1 ページ: 6-11
民医連医療
巻: 459 ページ: 76-88
巻: 459 ページ: 13-18
文化連情報
巻: 390号 ページ: 32-36
ゆたかなくらし
巻: 8月号 ページ: 18-22
巻: 11月号 ページ: 24-30
行政社会論集
巻: 22-3 ページ: 83-110
月刊保団連
巻: 8月号 ページ: 18-23