研究課題/領域番号 |
21330014
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研究機関 | 名古屋経営短期大学 |
研究代表者 |
古橋 エツ子 名古屋経営短期大学, 総合ビジネス学科, 教授 (90219121)
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研究分担者 |
神尾 真知子 日本大学, 法学部, 教授 (80219881)
廣瀬 真理子 東海大学, 教養学部, 教授 (50289948)
本澤 巳代子 筑波大学, 人文社会科学研究科, 教授 (70200342)
金川 めぐみ 和歌山大学, 経済学部, 准教授 (70335496)
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キーワード | 社会法学 / 児童虐待 / DV / 高齢者虐待 / 家庭内暴力・虐待 / 法制度比較 |
研究概要 |
本研究は、「虐待」に関する問題状況の把握と「虐待」を防止する法政策のあり方を、比較法および学際領域の観点から総合的に検討するものである。本研究の特色は、児童虐待、高齢者虐待、障害者虐待、配偶者間暴力(以下「DV」とする)を個別に把握するのではなく、これらの問題を家族の変容から生じる「虐待」と総合的に解釈し、分析するところにある。最終的には、わが国における虐待をめぐる総合政策の展開に必要な基盤整備のあり方につき検討し、具体的な施策の提言を行うこととする。 平成21年度の比較法研究会においては、児童・高齢者・障害者・女性の虐待や権利侵害に対する問題状況と、虐待防止法の状況について、各国の議論状況を整理した。比較対象国は、日本・アイルランド・アメリカ・イギリス・オランダ・韓国・スウェーデン・中国・ドイツ・フランス・フィンランドの11ヵ国である。それぞれの国における虐待防止法の有無・虐待の定義・援助内容・罰則・検討課題等について、2か月に1回のペースで研究会を開催し、その内容を確認した。また、各国比較のほかに国連・EUレベルでの議論の把握も行った。なお平成21年度は、オランダ・韓国・スウェーデン・中国・フィンランドの5カ国において関係機関への現地聞き取り調査を実施している。現地聞き取り調査によって、文献においての知見と現実の虐待防止施策の実施状況の乖離を把握することができ、本研究にとって非常に有意義なものとなった。 学際領域研究会においても、随時研究会が行われ、児童・高齢者・障害者・女性の虐待や権利侵害についての、各領域からの議論状況の整理を行った。なお、両研究会の検討結果は、半年に1回開催される全体部会で共有され、平成22年度の研究計画にフィードバックされる予定である。
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