研究課題/領域番号 |
21330017
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
福井 厚 法政大学, 法務研究科, 教授 (60033180)
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研究分担者 |
木谷 明 法政大学, 法務研究科, 教授 (50386330)
後藤 昭 一橋大学, 法学研究科, 教授 (00143256)
白取 祐司 北海道大学, 法学研究科, 教授 (10171050)
加藤 克佳 愛知大学, 法学部, 教授 (20202012)
葛野 尋之 一橋大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (90221928)
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キーワード | 裁判員 / 未決拘禁 / 代用監獄 / 被疑者取調べ / 直接主義 / 韓国 / 国民参与裁判 / 取調べ可視化 |
研究概要 |
今年度は、3ヶ年計画の初年度に当り、韓国調査及びその準備が主たる活動であった。すなわち、まず、韓国調査の準備のために2009年7月25日にByung-Sun CHO教授(韓国 清洲大学校 法科大学)を招聘し、「韓国の国民参与法について」と題して講演会を開催した(於:龍谷大学)。なお、その講演の基となった原稿は、法学論集(関西大学)59巻5号(2010年2月)90-128頁に「韓国の国民参与裁判制度の1年半の状況とその評価」(山名京子/金玲共訳)として公刊されている。このような準備を行った上で、研究代表者を含め7名で2009年8月18-21日にかけて、CHO教授のアレンジしたスケジユールにしたがって、清洲市、ソウル市で警察施設、裁判所、検察庁、弁護士会などを訪問し、施設見学のほか裁判官、検察官、警察官、弁護士などとの質疑応答を行い、また、実際の裁判の傍聴も行った。ただし、国民参与裁判は、残念なことに訪韓中に両市では公判の予定がなく傍聴することはできなかった。この点、2011年度に予定している韓国の補充調査の機会には是非実現したいと考えている。訪韓中に入手した資料は、整理でき次第順次公刊して行く予定である。これまでに公刊したものとして、石田倫識「未決勾留日数の全部算入韓国憲法裁判所の違憲決定を手がかりに」(季刊刑事弁護61号〔2010年1月〕113-118頁)を挙げておく。なお、現地調査で新たな疑問も出てきたので、2010年1月23日にはJong-Keun OH検事(ソウル東検察庁)を招聘し、「韓国の未決拘禁制度~韓国における監獄法改正を踏まえて」と題して講演会を開催した(於:龍谷大学)。 「刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律」の見直しの作業については、本研究の研究協力者もその会員である刑事立法研究会が『対案コンメンタール』(現代人文社)を出版することになり、各人の分担部分の執筆作業を進めた。2010年中には刊行される予定である。 ケース研究は、裁判員制度と未決拘禁制度との関係を分析するのに適切なケースの選定作業を進めたが、和歌山弁護士会所属の弁護士を招聘して担当事件を報告してもらう研究会を企画する段階にとどまり、実際の研究会は2010年度中に開催する予定である。
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