研究課題
平成22年度の本共同研究の目的は、新薬開発のインセンティブとして、薬事法規制、特許法及び価格に注目し、政策上の提言に必要な実証データを構築することにあった。この目的のもとに、各分担者は以下の研究成果を得、著書、論文その他(講演会、報告書)において公表した。山根は米国、欧州諸国及びインドにおいて、知的財産権がバイオ技術新薬の研究・開発を促進あるいは阻害する諸例を研究し、法律改正と裁判例をまとめ英国において出版した。川上は、各種の医療・薬剤データベースを用いた薬剤疫学研究の基盤構築をおこない、ヘルステクノロジーアセスメント(HTA)の比較効果分析及び先発医薬品とジェネリック医薬品との価格差検討研究の方法を検討した。循環器領域やリウマチ・アレルギー疾患における医薬品適正使用、バイオ医薬品の開発戦略や実例、細胞再生治療の規制と日本における開発や社会受容の現状について研究を実施し、シンポジウムにおいて、治験と臨床試験の一元化政策を検討した。池田は、新医薬品の承認審査期間をデータベース化し、各診療分野別のドラッグ・ラグ(海外と本邦の間にある承認のタイムラグ)を解析し、特に中枢神経領域(神経内科・精神科)でドラッグ・ラグが著明であること、その主因は承認審査期間ではなく、開発着手の遅れであることを明らかにした。諸岡は、リサーチツール特許の円滑な利用・活用を図るための諸外国の取り組みについて調査し、特許権に制限を設けるもの、強制的に特許権のライセンスを設定するもの、ガイドラインを定める方法等を比較した。永野は、OECD科学技術政策委員会傘下のグローバルサイエンスフォーラムにおいて、非商業分野における臨床試験の国際協力を推進するための作業部会の設立、および平成23年度中の報告書とりまとめを進めている。
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