研究課題/領域番号 |
21330026
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研究機関 | 南山大学 |
研究代表者 |
岡田 悦典 南山大学, 法学部, 准教授 (60301074)
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研究分担者 |
仲 真紀子 北海道大学, 文学研究科, 教授 (00172255)
藤田 政博 政策研究大学院大学, 大学院・政策研究科, 助教授 (60377140)
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キーワード | 裁判員制度 / 陪審 / 参審 / 刑事訴訟法 / 認知心理学 / 社会心理字 / 刑事司法 / 市民参加 |
研究概要 |
本年度は、5月に『裁判員制度と法心理学』を本研究の3名の編著にて出版するという成果を上げた。これをもとに、研究計画を進めるに当たって、さらに関連文献を検討することから始めた。第一に、これまでの陪審研究に関する先行研究の文献(責任能力と陪審、目撃証言・専門家証言の尋問技術)に関する検討を行った。また、合わせて、日本における量刑基準に関する調査研究の検討を行った。また、これらの検討と合わせて、これまでの共同研究の成果を踏まえて、裁判員と法律概念、法律知識に関する研究可能性などを、検討した。これらの検証は、十分な研究成果を踏まえる上で、必要不可欠なものであり、研究成果をより意義深くするものと考えられる。検討の結果、特に日本の裁判員制度の尋問技術・評議技術に一石を投じうるものについて、ある程度絞られ、十分な成果があったものと思われる。このような文献に基づく基礎的な検討作業と同時に、21年度後半には3回に分けて、実際に裁判員裁判を担当した著名な弁護士を招き、インタビュー調査を行った。1)実際に裁判員裁判をされた事件の概要(可能な限りで)、裁判員の反応についての実感など。2)公判の弁護で気を付けたこと、特に準備されたこと(冒頭陳述、主尋問、反対尋問、最終弁論のそれぞれの段階で)、3)語句の説明等で気を付けたこと、4)今後の課題、5)法科大学院教育や実務教育で裁判員裁判に向けて必要とされるように思われる事項、6)その他、を中心にインタビューを行った。実際の裁判員裁判で必要とされる技術とその課題について、貴重な成果を得ることができた。さらに、10月に岡田・仲が法と心理学会においてWSで報告を行い、3月にバンクーバーで開催されたアメリカ心理と法学会で、本研究課題の出発点となった調査研究の一部についてポスター報告を行い、貴重な示唆を得るという成果も上げることができた。
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