研究概要 |
本年度は、昨年度に行ったインターネット上における調査の分析と学会報告を行うとともに、インタビュー調査を引き続き継続して行った。また、インタビュー調査についてのまとめ作業に取り掛かった。まず、インターネット調査については、2012年度前半に分析作業と会合(5月及び8月)を持ち、その成果を、法と心理学会第13回大会(武蔵野美術大学:東京)において、2012年10月21日に、「裁判員裁判と求刑―公判・尋問技術に関する実証研究の一つの試み」と題して、本科研の成果報告を行った。特に、岡田悦典がワークショップの企画趣旨と研究経緯及び弁護士インタビューの成果を話すとともに、藤田政博「弁護側求刑の効果:『寛大な処分』か具体的求刑か」、仲真紀子「尋問スタイルが模擬裁判員の量刑判断・尋問評価に及ぼす影響」と題する報告を行い、特に弁護側求刑をすることの効果が、しないことによるよりもあることの意味を、様々な分析によって明らかにした。さらに、2013年次アメリカ心理と法学会(アメリカ合衆国・オレゴン州ポートランド)において、Masahiro Fujita, Yoshinori Okada & Makiko Naka, “Should defense counsels request specific punishment?: Effects of requests, questioning method, victim’s faults on sentencing”と題して、2013年3月8日に、ポスター報告を行った。弁護士インタビューについては、8月に、磯貝隆博弁護士「3名が傷害致死罪で起訴された裁判員裁判の事例について」と、12月に、森下弘弁護士「責任能力が問題となった裁判員裁判について」について、裁判員裁判の尋問技術に関する調査を行った。意識調査については、この間に、順次分析を行った。
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