研究課題/領域番号 |
21330029
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
平井 一臣 鹿児島大学, 法文学部, 教授 (00199027)
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研究分担者 |
出水 薫 九州大学, 法学研究院, 教授 (20294861)
木原 滋哉 呉工業高等専門学校, 一般科目, 教授 (20259922)
土肥 勲嗣 九州大学, 法学研究院, 専門研究員 (00507973)
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キーワード | 自治体間交流 / 日韓関係 / ナショナリズム |
研究概要 |
本研究の最終年度にあたる平成23年度は、大きく二つの作業を行った。一つは、韓国と最も地理的に近接しており、また、緊密な交流関係を結んでいる対馬市を訪問し、自治体間交流が日韓のナショナリズムの問題とどのように交錯しているのか、関係者からの聞き取りなどを中心に現場の実情についての調査を行った。もう一つは、平成22年度に実施した日本側の自治体に対するアンケート調査結果の分析と取りまとめを行ったことである。 この二つの調査研究活動と並行して、日韓の相違と共通性を明らかにするため、韓国の釜山大学校政治外交学科及び高麗大学校日本研究センターとの情報交換、意見交換を行った。 平成23年5月に高麗大学校日本研究センターにて行われたコロキアムにて、平井が「日本における地方行政の現状と課題」と題する報告で成果の一部を発表し、さらに平成24年3月に『日韓ナショナリズムと自治体間関係に関する調査報告』をまとめ、アンケートに回答した自治体等に送付した。 上記の報告書「まとめと展望」にも記しているが、日韓の自治体間交流に関して言えば、国家間の様々な緊張や軋轢があるものの、日韓間の自治体間交流が着実に発展を遂げていること、ただし、交流のレベルは自治体によってかなり差異があること、また、自治体合併や自治体財政の危機といった条件により日韓間の自治体間交流の持続・拡大が困難に陥っている事例も少なくないこと、さらに、今後の自治体間交流は、日韓間二国間の交流ではなく、中国や東南アジアを含めたマルチナショナルな関係のなかで展開していく可能性が高いこと、などを総括的な結論として提示することができた。
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