研究課題/領域番号 |
21330032
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研究機関 | 大東文化大学 |
研究代表者 |
和田 守 大東文化大学, 法学部, 名誉教授 (80007236)
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研究分担者 |
小倉 いずみ 大東文化大学, 法学部, 教授 (00185563)
千葉 眞 国際基督教大学, 教養学部, 教授 (10171943)
五味 俊樹 大東文化大学, 法学部, 教授 (40138590)
佐々木 弘通 東北大学, 法学部, 教授 (70257161)
大西 直樹 国際基督教大学, 教養学部, 教授 (80152198)
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キーワード | アメリカ憲法 / カナダ憲法 / 大日本帝国憲法 / 信教の自由 / 神道国教化 / アメリカ・ピューリタニズム / 日本人移民問題 / 現代政治理論 |
研究概要 |
本研究実施計画の三年目にあたる平成23年度は、昨年度平成22年2月に実施した共同研究合宿における研究代表者和田の「主報告」をもとに行った議論を踏まえて各自の役割分担に沿った研究を進め、その中間的成果を平成23年9月16日実施の共同研究会(於:大東文化大学)および平成24年2月20~22日に実施した共同研究合宿(於:熱海市)において報告した。次の通りである。 五味俊樹「ユニバーサリズム、インターナショナリズム、そしてパトリオティズムの関係-新渡戸稲造とその周辺に位置する人びとの心象を素材に-」和田守「政教分離と仏教」加藤普章「カナダにおける政治と宗教の関係」大西直樹「アメリカにおけるピューリタン研究の変貌」千葉眞「政治理論における『宗教と政治』の現在-R・ローティ、J・カサノヴァ、J・ロールズ、C・テイラーなど」その他、各自の役割分担の進捗状況についても報告があり、共同討議を行うとともに本研究の中間的総括と次年度の研究実施計画の調整を行うなど有意義な共同研究会を持つことができた。また、和田の日本ピューリタニズム学会第6回研究大会(平成23年6月17日、於:聖学院大学)での報告「木下尚江の普選論と平和論-帝王神権国体への挑戦」はじめ、各自の関係学会等で研究成果の一端を報告し発信を行った。なお、五味が予定していたハーバード大学ライシャワー研究所への海外出張(アメリカの移民受け入れ問題を中心とした外交政策と宗教との関係)は東日本大震災と福島原発事故の影響による授業措置の大幅変更などの理由で不可能になり、代わりに和田がアメリカ・ロサンゼルスとサンフランシスコに出張し「アメリカにおける日系移民の実態と宗教問題」について資料調査・ヒヤリングを実施し知見を広め、その成果の一部を日本人移民・日系アメリカ人のアイデンティティをめぐる新たな問題点として発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
各自の役割分担に基づく研究成果の積み重ねは順調であり、毎年度実施してきた共同研究合宿において相互認識と全体的調整も十分行われてきた。特に重点的な取り組みとして、初年度における従来の研究蓄積と具体的研究実施計画の再確認、二年目の海外共同研究者ホール教授招聘による講演会・シンポジウム実施、三年目の今年度は研究代表者和田による主要論点整理を踏まえた個別研究がほぼ順調に進展した。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は実施計画に基づきほぼ順調に進展してきているので、最終報告書取りまとめに向けて基本的には従来どおり各自の役割分担研究と共同研究合宿による討論・全体的調整を積み重ねることにしているが、今後の留意点としては研究目的の重点課題の一つである政教分離が法制的に確立した日本国憲法体制下における靖国問題や市民的自由をめぐる現代的課題の解明を念頭に置いて研究を推進したい。また、研究経過と成果を広く社会に発信するための努力を一層強めたい。特に研究計画の変更は無い。
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