研究課題
2009年7月に本研究の参加者および今回の共同研究者である中国、韓国の研究者が一堂に会して、中間報告のためのワークショップを開催した。そこにおいて、それぞれの国における本主題に関する現状とその特徴およびその背景にある要因について報告した。日本をふくめた3国の大都市においては、他の地域における大都市と同様にグローバリゼーションの影響の下、金融・サービス業を中心に資本の投下が積極的に行われており、それによる都市開発が進行している。しかし、中国、韓国においては金融、市場経済に起因するものだけでなく、ソウルや中国の諸都市の例のように、政府による権力的な都市開発の条件の操作が行われていたり、権力そのものの誇示のための再開発が行われている現状が報告された。その一方で、日本もふくめて、市民社会の未成熟のために市民による都市再開発に対する関与は乏しいと言わざるをえないのが現状である。それでは、他地域においては市民やそのコミュニティがどのように都市再開発に参画しているのかを調査するために、米国のサンフランシスコやシアトルを訪れ、現地を観察すると同時に、都市再開発に関与した市民にインタビューを試みた。その結果、米国における経験とその理論化の傾向を知ることができた。その他、中国や韓国、日本の都市再開発の例を各研究者が分担して調査し、その特徴を把握した。今後も、3国の研究者が協力して北東アジアの大都市で進行している都市再開発と市民の関与の仕方を考察すべく協力を継続することで合意した。
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立教経済学研究 63巻3号
ページ: 51-69
http://mnz.rikkyo.ac.jp/eco/research/pdf/papar/no63/p051_069_63_3_tajima.pdf
http://www.rikkyo.ac.jp/research/laboratory/IPCS/