研究課題/領域番号 |
21330037
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
大津留 智恵子 関西大学, 法学部, 教授 (20194219)
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研究分担者 |
石橋 章市朗 関西大学, 法学部, 准教授 (40368189)
安武 真隆 関西大学, 政策創造学部, 教授 (00284472)
蓮見 二郎 九州大学, 大学院・法学研究院, 准教授 (40532437)
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キーワード | 政治参加 / 政治教育 / 政治意識 / 政治思想 / 民主主義 / 若者 / ジェンダー / マイノリティ |
研究概要 |
3年目も個別研究を進める一方で、成果を共有するための共同研究会を開催した。夏休みには継続して中・高生対象のプログラムを行った。新たなアンケート調査は実施せず、昨年実施した高校生対象アンケート調査の分析作業を行った。 個別研究としては、石橋は22年度に実施した高校生対象の調査の分析を行い、これまでの高校生・大学生対象の調査と合わせ研究報告を行った。また中学生・高校生に対するプログラムを中心となって実施した。大津留はアメリカの若年層の政治意識をめぐる文献調査を進めるとともに、日本の多文化社会化に伴って周縁に置かれた人びとの政治的権利をめぐるペーパーを韓国政治学会にて報告し、論文として取りまとめた。蓮見は英国における二つの研究会での議論を通じ、英国における政治教育・シティズンシップ教育研究が社会的包摂や国民国家を越えたアイデンティティの形成に関心が向かっていることを把握した。これを踏まえ、包摂的シティズンシップ教育論の理論的検討を行った。安武は名古屋、九州、東京の各大学等で歴史的視座から政治学教育についての知見を得るべく、各種研究会・学会に参加し、資料収集に努めた。また、アデレード大学、中山大学、ワイカト大学に赴いた際にも、現地における政治学教育について現地の研究者と意見交換に努めた。 共同研究会としては、12月に石橋「大学生の政治意識」の研究報告を受けて議論を行い、各自が研究取りまとめにむけての計画を報告した。また、2月に公共政策学会関西支部と共催し、石橋「高校生の政治意識の分析」、蓮見「社会的包摂と能動的市民性:包摂的シティズンシップ教育論の間隙」の研究報告をもとに、若年層の政治意識および政治教育について議論を行った。 8月に大阪府中学生セミナーの一環として、中学生・高校生を対象に、ゴミ問題をテーマとして、共同作業を通して政治的な視野を広げるプログラムを実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
各自が分担したテーマでの研究は順調に進んでおり、学会報告や論文執筆がそれぞれに進められている。また予定していたアンケート調査の実施も終了し分析段階に進んでいる。今後は、個別テーマ、アンケート調査、および中学・高校生対象におこなったセミナーなどの成果を、全体テーマのもとで公開にむけた形で取りまとめていくことが課題として残っている。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が本研究課題の最終年度にあたるため、予定された研究計画に従って、暫定的な成果をもとに公開研究会を開催し、その評価を取り入れる形で最終報告をまとめていく。全体としての公開研究会と並行して、分担者各自で分担テーマについての成果報告を学会発表や論文執筆の形でおこなっていく。
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