研究課題/領域番号 |
21330043
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
松島 斉 東京大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (00209545)
|
キーワード | ゲーム理論 / ミクロ経済学 / オークション / マーケットデザイン / 実験経済学 / 金融システム / 繰り返しゲーム / メカニズムデザイン |
研究概要 |
研究1:メカニズムデザイン: ・メカニズムデザインにおける社会的影響の役割としての誘導可能性問題を分析し、論文「Implementation and Mind Control」を改定し、タイトルを「Process Manipulation in Unique Implementation」とした。公正でない配分決定の可能性について、やや否定的な解釈を加え、全体の内容を調整した。 ・「組み合わせ入札」の統制実験のデータ解析を、京都大学照山博司教授および名古屋市大木村匡子講師と共同で進めた。アンケート調査と実験結果との関連性について検討を開始した。 ・組み合わせ入札の実践と理論の論文「Price-Based combinatorial auction design...」を改定した。組み合わせ入札を理論的に一般化し、効率的配分の可能性を分析し、論文「Efficient Combinatorial Exchanges」にまとめた。今後の日本における周波数割り当てのおいておこる問題である、既存免許の自発的回収の可能性について明示的にモデル化した。 ・日本4G周波数オークションの具体的な設計案を作成し、論文「4G周波数オークションジャパン」などをまとめた。政策提言をまとめて、実際に日本政府に設計案を採用されるように、プロポーザルの作成を、安田(GRIPS)、尾山(東大)、柳川(東大)、佐野(阪大)各氏とともに開始した。 ・羽田空港発着枠配分のための入札設計の検討をし、論文「組み合わせ入札に関する…」をまとめた。具体的設計案の検討を開始し、政策提言をまとめる作業を開始した。 研究2:バブルとクラッシュ: ・「Behavioral Aspects of Arbitrageurs in Timing Games of Bubbles and Crashes」を改定した。「Financing Harmful Bubbles」について、改定の作業をした。 研究3:合意形成:特になし。 研究3:繰り返しゲーム:特になし。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
研究1メカニズムデザインにおける社会影響の研究の成果として、周波数と空港スロットについての実践的な設計を検酎する段階にはいった。当初の予定になかった進展であり、今後学術的成果と政策提言を結び付けていく。
|
今後の研究の推進方策 |
メカニズムデザイン、特に「組み合わせ入札」についての実践的な制度設計を検討していく。周波数オークション、空港発着枠配分について具体的な設計の政策提言を作成し、日本政府および日本国民に採用するべきであることを説得していく。そのため,2012年1月に、オークションマーケットデザインフォーラム(AMF)という研究者集団を組織した。AMFが提案する政策を専門的に作成していきたい。前述以外にも、電力市場設計が日本国の急務の課題だが、これはマーケットデザインの重要な応用対象であり、これについて日本社会に貢献する研究を開始したい。
|