研究概要 |
繰り越し分などを利用することによって、2013年11月27,29日(東京大学)、2014年1月21,22日(京都大学)、2月18,19日(東京大学)に、経済学実験をおこなった。組み合わせ入札について、SMRA,Clock, VCG, Ausubel, Proxy Ausubelなどといった、ことなる入札ルールを比較検討した。日本の周波数オークション実施をモデルに、実験デザインをした。当初予定していた二次取引はさらに延期を決定した。なぜならば、入札の結果が予想されたものと大きく異なったこと、Proxy Ausubelというルールが、新しい案であるにもかかわらず、すぐれたパフォーマンスであった、こと、などが理由である。ルールに応じて二次取引の設定もかわるため、当初SMRAのみを検討していたのをやめにすることとした。これらは、非公開のハンドアウトとして、柳川範之(東京大学)、尾山大輔(東京大学)、安田洋祐(大阪大学)、佐野隆司(京都大学)、久保田昌幸(東大院生)の共同で、まとめられた。Proxy Ausubelという新しい入札ルールが、効率的配分および、入札行動の安定という2点、および高くない入札者金銭負担という追加点、において、優れていることが分かった。ただし、実験データは最初の結果であるためまだまだ不足している。しかし、実践的な組み合わせ入札の方式としては、今回の実験結果は有力な資料となる。将来の研究への大きなステップである。また、電力などでかんがえられているclockのパフォーマンスが悪いという結果がでた。この知見も新しいものであり、情報完備の仮定がきいていると考えている。
|