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2009 年度 実績報告書

金融市場の発展とマクロ経済の不安定の関係について

研究課題

研究課題/領域番号 21330045
研究機関京都大学

研究代表者

柴田 章久  京都大学, 経済研究所, 教授 (00216003)

研究分担者 浅野 貴央  岡山大学, 社会文化科学研究科, 准教授 (40423157)
堀 敬一  立命館大学, 経済学部, 教授 (50273561)
キーワード不確実性 / マクロ経済 / 金融市場 / 投資
研究概要

実証研究においては、日本の上場企業の財務諸表から構築したパネル・データを用いて、1980年代から2000年代前半にかけて企業の流動性資産の保有行動がどのように変化してきたのかを実証的に検証した。その結果、(1)1990年代までは一貫して、成長性の高い企業が流動性資産を保有しようとする行動が観察される、(2)1990年代半ばまでは、製造業を中心として銀行借入や企業間信用などの資金調達手段が流動性資産保有と強い代替関係にあった、(3)金融危機を含む1990年代後半には、そうした代替関係が弱まった、(4)金融緩和基調となった2000年代前半には、それまで流動性資産保有に影響を与えていた要因が、もはや強い影響を与えなくなった、の四点を明らかにした。また、理論分析においては、不確実性が、景気循環や経済成長に及ぼす効果を分析するための予備的分析として、ナイト的不確実性を導入したモデルを構築し、不確実性の増大と、直接投資行動および人的資本・健康資本蓄積の関係を分析した。その結果、将来に関する不確実性の増大は、直接投資受入れ国の最適法人税率の下落をもたらすことと、人的資本・健康資本蓄積を阻害することを明らかにした。さらに、金融市場の不完全性を考慮した世代重複モデルを構築し、資本市場が完全であるときと全く機能していないときの両極端の場合には経済は安定的であるが、資本市場の不完全性が中程度である場合には、経済が著しく不安定化することを明らかにした。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Optimal Tax Policy and Foreign Direct Investment under Ambiguity2010

    • 著者名/発表者名
      Takao Asano
    • 雑誌名

      Journal of Macroeconomics 32

      ページ: 185-200

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Risk and Uncertainty in Health Investment2010

    • 著者名/発表者名
      Takao Asano, Akihisa Shibata
    • 雑誌名

      European Journal of Health Economics (forthcoming)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 日本企業の流動性資産保有に関する実証研究-上場企業の財務データを用いたパネル分析-2010

    • 著者名/発表者名
      堀敬一・安藤浩一・齊藤誠
    • 雑誌名

      現代ファイナンス NO.27

      ページ: 3-24

    • 査読あり
  • [学会発表] Optimal Pricing and Quality Choice of a Monopolist under Knightian Uncertainty2009

    • 著者名/発表者名
      浅野貴央
    • 学会等名
      日本ファイナンス学会
    • 発表場所
      青山学院大学
    • 年月日
      2009-05-09

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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