研究概要 |
本研究プロジェクトの成果は以下の4点にまとめることができる。 (1)金融市場の不完全性を導入したマクロモデルを構築することにより、金融市場の発展が経済の不安定を高める可能性を持つことを理論的に明らかにした。 (2)パネルデータを用いた実証分析により、90年代半ばまでは,製造業・非製造業の双方おいて銀行借入や社債・企業間信用などの資金調達手段は,流動性資産保有と強い代替関係にあったが、90年代後半にはそうした代替関係が弱まったことを見出した。 (3)ナイト的不確実性を導入することにより、経済における不確実性の存在は様々な投資行動に大きな影響を与えることを示した。また、その影響の方向は、不確実性が何についてのものであるかによって大きく異なりえることを理論的に明らかにした。 (4)金融市場の不完全性の存在は、バブルが生じる可能性を大きく高めると同時に、バブルの発生を通じて経済を不安定にする可能性を持つことを理論的に明らかにした。
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