本研究の目的は,「炭素市場」を中心に市場形成と政策当局の役割について,経済分析を行うものである.分析手法としては,環境経済学と金融経済学・ファイナンスを統合し,対象とする政策としては,環境規制政策と市場競争政策を統合するものである. 主要な成果は以下の通りである.まず,価格変動を抑制する機能である「セーフティーバルブ」について考察し,その設定のルールを導出した.次に,環境・資源経済問題一般に対する金融工学的手法の適用について理論的枠組みの構築を行った.最後に, 長期的な環境技術投資,特に,新技術の最適導入時期について分析した.
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