研究課題/領域番号 |
21330063
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
西部 忠 北海道大学, 経済学研究科(研究院), 教授 (50261269)
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研究分担者 |
草郷 孝好 関西大学, 社会学部, 教授 (30308077)
吉地 望 旭川大学, 経済学部, 教授 (50399979)
橋本 敬 北陸先端科学技術大学院大学, 知識科学研究科, 教授 (90313709)
小林 重人 北陸先端科学技術大学院大学, 知識科学研究科, 助教 (20610059)
吉田 昌幸 上越教育大学, 学校教育研究科(研究院), 講師 (90533513)
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研究期間 (年度) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 制度 / 生態系 / 進化 / 多様性 / メディア / デザイン / 地域ドック / 地域通貨 |
研究概要 |
本研究では,制度生態系の理論を構築して,それに基づく進化主義的な総合経済政策論を展開した。まず,基礎理論としては,①現実の制度の多様性や進化を説明できる制度生態系の理論を構築・洗練化し,現実の諸事例による妥当性の検証と理論の洗練化を行った。②制度生態系の理論と貨幣に関する実証分析に基づき,主体・制度・社会の二重ループを組み込んだ貨幣制度生態系をモデル化し, 現実の通貨制度の動態を説明した。また,政策論としては,③主体・制度・社会の二重ループモデルに基づき,安定性や持続可能性など望ましい社会的帰結をもたらす貨幣制度生態系を進化主義的に設計する「メディア・デザイン論」を体系化した。④メディア・デザイン論を補完するものとして,地域の経済社会を総合的に診断し,住民が自己評価を通じて現状改善に導く総合的評価法,実践的政策論として「地域ドック」を体系化した。研究成果は日本語の論文や著作として公刊されたが,英語での公刊準備も進めている。 2012年8月6日に公開ワークショップ「制度生態系アプローチによる経済政策論の展開」を開催し,研究成果の総括的提示とコメンテータによる意見提示,討議を行った。また,2012年3月17日にパネル・ディスカッション「地域通貨ねやがわ『げんき』の現在と展望」を開催して,地域通貨「げんき」の現状と課題について討議した。さらに,同年4月23日に北海道更別村でフォーラム「『サラリ』を知ろう」を実施し,地域ドックの一貫として住民アンケート結果報告等のフィードバックを行った。 本研究の意義は,グローバル競争による制度の標準化が効率性視点から望ましいという従来の制度論に対し,制度生態系の下では制度の多様性と共生が可能であり,参加者の価値規範(メタルール)が重要であることを示し,その応用としてメディア・デザインや地域ドックといった総合的.実践的な政策論を提示した点にある。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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