研究課題/領域番号 |
21330067
|
研究機関 | 政策研究大学院大学 |
研究代表者 |
森田 玉雪 政策研究大学院大学, 政策研究科, 講師 (00452053)
|
研究分担者 |
馬奈木 俊介 横浜国立大学, 経営学部, 准教授 (70372456)
東田 啓作 関西学院大学, 経済学部, 教授 (10302308)
寶多 康弘 南山大学, 総合政策学部, 准教授 (60327137)
|
キーワード | 経済政策 |
研究概要 |
2009年度は、再生可能資源の代表的なものである水産資源に焦点を当てた理論・実証分析と、国際的な資源の囲い込みに関する理論的基礎の構築を行った。 水産資源に関しては、日本の漁業の効率性分析を行い、現状の資源管理が成功していないということが明らかになった。また資源管理の重要な政策の1つであるITQ(個別譲渡性漁獲割当、漁獲割当を市場取引する制度)が諸外国で比較的機能しているということが調査により明らかとなったため、ITQに関する理論モデルを構築した。これは国内モデルであるが、結果としては、ITQのみでは、個々の漁業者の利潤最大化行動の結果、過剰投資や過少参入を招く可能性があるため、他のインプットコントロールなどの政策を合わせて用いることが重要であるということが明らかとなった。需要面からは、日本において水産エコラベルが過剰漁獲の抑制に効果的に作用する可能性について調査した。 国際的な資源の囲い込みについての理論として、国際的共有資源が存在する下での貿易利益を、2国2財の一般均衡モデルで分析した。貿易後、国際的共有資源のストックは減少するにもかかわらず、両国が完全特化するならば、両国とも貿易利益を得る場合があることが明らかとなった。 以上の成果については、2010年5月に、「我が国における資源・環境問題に関する経済分析-水産業を例に」としてシンポジウムを行って公表する予定である。政府の戦略的な政策設定の分析は今後の課題である。
|