研究課題
本年度はじめの2010年5月には「我が国における資源・環境問題に関する経済分析-水産業を例に」と題するシンポジウムを開催して、これまでの研究成果を総括し、公表した。また、同じ2010年5月には本研究の成果ならびに関連する論文を収蔵した図書、寳多康弘・馬奈木俊介編著『資源経済学への招待-ケーススタディとしての水産業』をミネルヴァ書房より公刊した。他、本年度を通じて実施した研究の成果は以下の通りである。国際貿易がある下での資源管理として技術的規制の効果を理論的に分析した。資源財への需要がかなり高いときは資源は国際協調で保護されるが、資源財への需要が比較的高い場合は、国際協調して資源管理ができず、資源の過剰利用が懸念されることが示された。市場メカニズムを通した水産資源管理についても、引き続き研究を発展させた。理論的には、減船プロセスを通しての最適な船隻構造の実現を検証した。その結果、ITQ導入前に、過剰な規模の船隻が多い場合には、長期均衡において船隻数が過少となることが明らかとなった。また、実験データの分析も重ね、個々の漁業者の合理的な行動についての分析を進めた。資源管理に対する需要側からの働きかけの有功性についても引き続き検証した。卸売・仲卸業者を対象に「何が水産エコラベル製品を扱わせるのか/扱わせないのか」を調査した結果、水産エコラベルに対する業者の認知度は低いが、水産資源保護に対する意識は高いことが明確となり、水産エコラベルの導入に寄与する条件が示された。
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