研究課題/領域番号 |
21330075
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
高木 信二 大阪大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (20226749)
|
研究分担者 |
小川 英治 一橋大学, 商学研究科, 教授 (80185503)
永易 淳 筑波大学, システム情報工学研究科, 准教授 (30375422)
岩壷 健太郎 神戸大学, 経済学研究科, 准教授 (90372466)
江阪 太郎 神戸市外国語大学, 外国語部, 准教授 (60347515)
廣瀬 建一 小樽商科大学, 商学部, 准教授 (40345450)
|
キーワード | グローバル金融危機 / アジア / アジア地域の経済統合 / 資本移動 / 資本フローの管理 / アジア地域のマクロ経済連関 / グローバル化と為替政策 |
研究概要 |
本研究の出発点は、2008年秋に始まったグローバル危機と前後して、アジア経済の現状と今後の政策に関して対立する見解があるという認識であった。すなわち、現状に関しては、アジア経済と世界経済のマクロ連関が強まっているという意見と、分離しつつあるという意見がある。また、今後の政策に関しては、域内金融統合を積極的に進めるべきであるという意見と、危機に対する耐性を維持する観点から漸進的に行うべきであるという意見がある。本研究は、プロジェクト3カ年を通じた具体的な進化の結果として、アジア経済と世界経済のマクロ連関およびアジア域内のマクロ相互依存を解明し、金融統合の是非、為替および資本勘定政策の在り方、地域協力体制の改革を分析することができた。本年度も、過去同様、「マクロ相互依存班」(永易、岩壷)、「金融統合班」(高木、廣瀬)、「政策協調班」(小川、江阪)が密接に連携しつつ研究活動を続けてきたが、とくにアジアの通貨協力、グローバル危機後の為替政策、固定相場制の危機に対する耐性、景気循環の国際伝播、アジアの経済金融統合、国際金融アーキテクチャーの改革に関して成果を挙げた。さらに、グローバル危機の延長線上にある欧州ソブリン危機についても、国際通貨基金(IMF)を中心として、国際経済政策における新たなコンセンサスとなりつつある資本規制の有効性についても、実証分析を行った。これらの研究の中には、定評ある国際学術誌にすでに掲載されたものもある。最終年度も、過去2年間と同様、内外の専門家を含めた国際ワークショップを開催し、研究代表者および分担者が、現在進行中の研究を発表し、今後、アカデミックジャーナル掲載に向けた質の向上をはかることができた。
|