研究概要 |
本研究プログラムは,金融市場のボラティリティ期待の形成,金融政策決定会議前後の金融市場の行動,市場ボラティリティと実質経済の間の相互依存性に焦点を当てている.主な実証的研究成果は,モデルフリー・インプライド・ボラティリティ指数が将来の経済変動の重要な金融不安定性および経済不確実性の評価基準であることを示している.大阪大学・金融保険教育研究所が発信するCSF1-VXJボラティリティ指数の有益さは日本経済新聞およびThe Economistの記事で確認できる.ボラティリティ期待の形成の非線形性に関する分析結果に加えて,政策発表が金融政策決定会議の前に生じた過剰なボラティリティを解消し,金融市場を安定させる効果を持つことを示唆している.ボラティリティ期待へのショックは,消費者信頼感の悪化,投資環境指数の低下,金利の期間構造の平坦化を通じて,日本経済景気循環の転換期を示す先行指標に伝達されることになるだろう.総じて,本研究結果は経済不確実性と金融市場ボラティリティおよび経済情報との間の複雑な関連性についての理解を深めることに役立つ.
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