研究課題/領域番号 |
21330080
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研究機関 | 武蔵大学 |
研究代表者 |
大野 早苗 武蔵大学, 経済学部, 准教授 (40307145)
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研究分担者 |
伊藤 成康 武蔵大学, 経済学部, 教授 (60203155)
神楽岡 優昌 武蔵大学, 経済学部, 教授 (40328927)
茶野 努 武蔵大学, 経済学部, 教授 (10532195)
東郷 賢 武蔵大学, 経済学部, 教授 (30308019)
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キーワード | 資源価格 / 資本流入 / 為替政策 / 金融危機 / 投機的取引 / ボラティリティー / ガバナンス / 公的債務 |
研究概要 |
平成21年度はデータ収集など研究環境の整備を行うとともに、関連文献のサーベイや基礎的分析を行った。 本研究プロジェクトの第1の目的「資源保有国の資本流入の形態に関する決定要因」に関して、代表者大野は総輸出額に対する資源関連輸出額の占率が10%以上となる国を資源保有国として定義し、対象国の諸制度、経済情勢などを調査し、また資本流入とその決定要因に関するパネル分析の準備を行った。また、資本規制や為替制度、金融市場の成熟度等と海外資本流入および経済発展との関連についてサーベイを行った。本研究では資本流入の決定要因の一つとしてガバナンス指標に着目するが、分担者東郷は様々なガバナンス指標の特性、問題点などを整理した。第2の目的「資源保有国の為替政策と危機の発生可能性」に関して、代表者大野は文献調査を行い分析手法について検討した。 第3の研究目的「資源価格の変動特性」に関して、分担者神楽岡は商品先物価格のデータ生成プロセスのモデル化に取り組み、歪度や尖度をフレキシブルに調整できるGARCHSKモデル等を用いた分析を実施した。また、価格変動のドライビング・フォースを実需と投機の2つの要因に分離した上での商品価格生成のメカニズムの解明を試み、時変個別固定効果モデルの適用を検討した。シミュレーション分析により、時変個別固定効果モデルはクロスセクション個別効果モデルや時間ダミー変数を取り込んだパネル分析よりも汎用性のある分析手法であることが確認されている。分担者伊藤は原油の代表的指標(WTI,、Brent、Dubai)に関して、volatility clusteringやレバレッジ効果等を検出するとともに、標準的なGARCHモデルよりもARJI-GARCHモデル等のジャンプ・エレメントを含む定式化のほうが説明力が向上することを判明させた。分担者茶野は商品が組み込まれた証券ポートフォリオにおける資源価格と証券価格の分散効果の分析を行うに当たり、まずは機関投資家のリスク管理の取り組みについて調査した。
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