研究課題
本研究は、第2次大戦終結前夜から1960年代までの時期を対象として、ブレトンウッズ体制といわれる戦後国際金融秩序が、どのようにして形成され、また、それがどのように機能したのかを、戦後の主要資本主義諸国の動態との関連から明らかにすることを課題としている。研究2年度の平成22年度は、計画の通り、22年8月に、伊藤(正)、浅井、野下、伊藤(力)によるIMFアーカイブ、WBアーカイブ、NARA、同年9月に、岸田にNARAにおける資料収集を行った。これらの資料収集により、これまで国際金融論、金融論的視角から検討されてきたブレトンウッズ体制の形成史・機能論を、国際金融・資本市場史という視点から改めて捉え直し、マネー・マーケット、キャピタル・マーケットの動きと各国国民経済の戦後発展との関連を重視するなかから、ブレトンウッズ体制に内在した矛盾を明らかにするという課題の解明に接近しつつある。また、22年10月には政治経済学経済史学会、金融学会歴史部会などにおいて学会発表を、12月には、研究成果の中間集約のための2泊3日の研究会合宿を実施し、The Gold Standard (Columbia University Press)の著者Steven Brian、ベルギーLuven University Faculty of Arts の Michael Schiltz (Ph.D.)などとの共同討議を行った。さらに、先行研究のサーベイに関しても、ブレトンウッズ体制の成立過程、戦後の貿易決済制度、国際金融市場のメカニズム、開発・援助金融の構想と実態、軍需調達の経済効果について進行させ、データベース化を行った。
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成城大学経済研究
巻: 192 ページ: 1-44
法律時報
巻: 臨時増刊号 ページ: 34-40
L'Economie faite homme, hommage a Alain Plessis, Olivier Feiertaget Isabelle Lespinet-Moret, dirs.
ページ: 165-190