研究課題/領域番号 |
21330085
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
福嶋 路 東北大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (70292191)
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研究分担者 |
渡部 俊也 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (00334350)
犬塚 篤 岡山大学, 大学院・社会文化科学研究科, 准教授 (30377436)
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キーワード | 埋没技術 / 潜在的価値 / 技術移転制度 / 特許発明者のネットワーク / セレンディピティ / リポジショニング / 不要技術の放棄 / オープンイノベーション |
研究概要 |
本年度の目的は、埋もれた技術の潜在的価値を発現させる仕組みについて、主に、事例の収集、制度分析、特許分析の3本立てで研究を進めた。 研究代表者の福嶋は、製薬業界におけるリポジショニングの事例の収集を行った。複数の事例からリポジショニングが生じるときにセレンディピティが重要であり、それを引き起こす仕組みは何かについてさらなる研究が必要であるという認識のもと、現在も事例調査を継続している。 渡部は国内外における、技術の潜在的価値を発現させる仕組みについて、特に技術移転制度を中心に実証研究を行い、その成果は学会発表等にまとめた。このうち埋没技術の実用化事業化のプロセスについての事例研究は、4月に出版予定の渡部俊也『イノベーターの知財マネジメント』(白桃書房)に掲載予定である。 犬塚は、昨年度の課題であった引用特許をもとにした未利用技術の在り方について業界横断的な分析結果を行い、その成果を学会発表1件、論文1本にとりまとめた。並行して、特許発明者間のネットワーク構造をもとに、社内に偏在化する知識をどのように結合させて、再利用を図っているかに関する分析を行い、その成果を学会報告2本、論文誌1本(投稿中)にまとめた。最後に、製薬業界を対象に、企業が不要な技術を放棄するタイミングから製品開発能力を推定する分析を行い、学会発表を行った。この分析を進めることで、オープンイノベーションに必要な課題が何であるのかを突き止めることができると思われるが、特許から得ることができる情報には限りがあるため、臨床(治験)のデータと接合させるなどの工夫を必要とする。現在は、その方法論について模索中である。
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