研究課題
2012年度に行った研究によって得られた新たな知見等の成果は以下の通りである。1.日本の地場産業・伝統産業の成功事例として以下の各社を成功事例として取り上げ、各社の製品がなぜ人々を惹き付け、他のブランドと何が異なるのか、経験価値創造、技術経営、イノベーションなどの観点から分析した。事例としては、信三郎帆布(京都市)の帆布製鞄、塩芳軒、末富、俵屋吉富、(京都市)の京菓子、虎屋(東京都)の和菓子・羊羹、俵屋旅館(京都市)の宿泊サービス、山田松(京都市)の香・香木、唐長(京都市)の京唐紙、(京都市)の京菓子、亀末廣(京都市)の京菓子について分析した。2.ヨーロッパのラグジュアリーブランドの成功事例としてシャネルやゲランを取り上げ、化粧品のコミュニケーション戦略、化粧品におけるラグジュアリーの要件、環境対応によるブランド戦略、アイコン製品による感性プロダクト戦略、および、デザイナーと企業の関係を分析した。例えばラグジュアリーブランドのシャネルやグッチのプロダクトは、色や形といった外形的な特徴に、歴史や哲学、技術などの目に見えない価値を融合させて差別化を図り、長期的な成功を収めている事例である。これらのプロダクトは、ブランドのアイコンとして創業以来100年近くもの間輝きを保っている。そこで、アイコンプロダクトを多く持つラグジュアリーブランドのデザインマネジメント手法を、アイコン戦略として体系的に解釈し、様々な企業や業界が参考にできるような示唆を得た。3.日仏のブランド企業に見るラグジュアリーブランドの構築条件を明らかにするため、ブランド構築条件の抽出に向けた事例分析と比較考察を行った。4.ラグジュアリーブランドや老舗企業が今日そして近未来に直面する環境問題への対応が環境ビジネスとしてチャンスであるという観点から、環境対応製品や廃棄物ビジネスを含む環境ビジネス等を取り上げて検討した。
2: おおむね順調に進展している
日本の地場産業・伝統産業の成功事例の分析(その4)については1893年創業末富の山口冨藏ご主人、1905年創業一澤信三郎帆布の一澤信三郎社長、1803年創業鶴屋吉信の稲田慎一郎にヒアリングし、論文を公表している。欧州のラグジュアリーブランドの成功事例の分析(その4)についてはパリ本社やスイスの工房等を見学し、論文を作成している。
ラグジュアリーブランドの世界最大のコングロマリットであり、ルイ・ヴィトンやディオール、モエ・エ・シャンドンに加え、2011年3月にはブルガリまでも傘下に収め、さらにはエルメスの買収も視野に入れているLVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトンに加えて、カルティエなどを傘下に持つリシュモングループ、グッチなどを傘下に持つPPRラグジュアリーグループも取り上げ、ラグジュアリーブランド経営の戦略を解き明かす予定である。
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