研究課題/領域番号 |
21330104
|
研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
加藤 司 大阪市立大学, 大学院・経営学研究科, 教授 (50161104)
|
研究分担者 |
石原 武政 関西学院大学, 商学部, 教授 (20047301)
石井 淳蔵 流通科学大学, 商学部, 教授 (50093498)
崔 相鐵 流通科学大学, 商学部, 教授 (10281172)
高室 裕史 流通科学大学, 商学部, 准教授 (30368592)
田村 晃二 大阪市立大学, 大学院・経営学研究科, 准教授 (70419670)
|
キーワード | 商人精神 / コミュニティ / 国際比較 / 東アジア |
研究概要 |
平成21年度は、東アジアの小売商業に関するこれまでの研究蓄積を踏まえた上で、各分担者がそれぞれ、大きく3つの領域についての理論研究を深めた。具体的には、(1) 家業・社会的使命・「のれん」について、(2) 商業と社会関係資本の関係について、そして、(3) 市場と共同体の関係の理論研究について、それぞれ理論的検討を進めた。これらの大きく3つの理論研究の成果については相互に関連することから、7月に研究会を開催し、メンバー間で理論の理解および問題意識の共有を図った。 理論研究について議論を行う上で現場についての詳細な知識が必要になる。そのため、国内あるいは東アジア諸国で大規模および中小規模商業者に関するフィールドワークを行った。具体的には、2009年8月に先進事例である東北(青森市新町商店街、盛岡市肴町商店街等)において商業者、行政担当者、さらには周辺関係者に対してヒアリングを行い、各商業施設の視察を行った。また、韓国ソウルの商店街においてもフィールドワークを行った。具体的には2009年8月にソウルを訪問し、行政担当者にヒアリングを行った上で、ソウル市内で最も組織的活動が活発な商店街を視察し、現場の商業者に対してヒアリングを行った。これらの成果については、10月に研究会を開催し報告するとともに、ディスカッションを通じて問題意識の更なる深耕を試みた。また上記の研究の進行を受けて、2010年2月には、先進事例である東京都世田谷区の商業ビジョンおよび福島県の商業振興条例等に関連して、商業者、行政担当者および学術関係者へのヒアリングおよび商業施設の視察を行った。 こうした一連の調査研究を通じて、小売商業者と地域社会との関係ならびに政策などと複雑に絡み合いながら展開される商人精神をいくつかの側面に分けて分析するとともに、それらの総体として明らかにする枠組みが構築されつつある。
|