研究課題
23年度は、平成21年度、22年度に行った商人精神に関する理論的考察と日本国内および東アジア諸国でのフィールドワークの結果を受けて、調査研究に向けた分析枠組みの構築および調査実施を行う計画であった。当初の計画通り、継続的な理論的考察とフィールドワークを行う一方で、平成23年3月に東日本大震災が起こり、そのことにより地域商業の近隣住民に対する行動を通じて、あらためて「商人精神」の重要性とそのコミュニティとの関連性を分析する枠組みの再構築を痛感することになった。そのため、本年度は、実証分析そしてその結果に基づく政策提案という最終成果をにらみつつ、その準備として、分析枠組みの構築のための考察とフィールドワークを同時並行的に行うことになった。具体的には、被災地の商業の復興を視察すするとともに、他方ではまちづくりと商業・流通に関する研究会に複数回にわたり参加することで、行政サイドの専門家、商業コンサルタント、そして都市計画や建築など他分野の専門家の見解を広く集め、分析枠組みの更なる洗練化に努めた。また、追加的なフィールドワークとして、商人精神がまちづくりに大きな影響を及ぼした事例として有名な石川県輪島のまちづくりについて、分析枠組みに関わる内容について、行政サイド、側面支援者、そして商業者に対してヒアリングを実施した。上記の成果から、新たな分析枠組みを構築するための準備は整ったものの、質問票調査に基づく実証分析や政策提言にまでは至ることができなかったため、これらの部分については次年度に繰り越さざるを得ないと判断し、中小小売店を対象に、店舗選択の要因として、立地、品揃えだけでなく、商業者の信頼性が店舗選択にどのような影響を与えるかにいて追加調査を実施した。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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