研究課題
昨年度に引き続き本研究では、意思決定過程の追跡とその分析に関して、実験システムの開発を行いこれを実用化することに成功した。開発した「選」というシステムには、既存研究で行われてきたマトリクス型の情報提示ボード、一対比較が出来るシステム、カテゴリーへの振り分け実験の三種類の調査方法を実装した。これによって、様々な実験方法が利用できるだけではなく、それぞれの意思決定の方法によって被験者に選択、評価を行わせることで異なる意思決定経路をシミュレートするこどが可能となった。このシステムの開発過程では、数度のシステム改良が行われてきている。今年度もそれぞれの実験手法間の連携を強化することが出来るようになったことで、消費者の選択肢の絞り込み過程などが再現できるようになった。その結果、製品クラスへの関与や選択行動への感情が情報取得量に影響することや取得する情報の種類に影響を与えることサービス製品、最寄品・買回品で取得される情報に違いがあることなどは、当初の仮説通りに実証できた。また、当初予定していた感情に関する尺度の開発も4回の実験によって安定性が確かめられ、論文としてまとめられる予定である。ただ、情報取得過程を追跡する分析では、当初予定していたデータマイニングの手法を使うことは現在では行われていない。それに代わってWebページを使った実験サイトの構築を行っている。これは、マトリクス型の情報提示ボードを使った実験の分析ではブランド方向と属性方向の取得パターンの分析を中心に進めているのに比べてWebページでの商品の選択に関しては、ログ情報を元にしてデータ処理を行うことを実施した。この結果は、ショッピングサイトの構築に利用されることになっており、本研究の将来の発展の方向を示唆するものとなっている。
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Learning for Logics and Logics for Learning, 7th Workshop Osaka University, in cd-rom
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情報処理学会WebDB Forum 2011