研究概要 |
本研究の目的は,現在までの日本における財務会計研究を分類し,歴史的な変化を考察し,その特徴を抽出すること,および日本の財務会計研究の分布を把握することで長所を伸ばし短所を補うための将来の研究指針を示すことで,財務会計研究の進展と国際競争力の向上に貢献することである。 平成21年度においては,代表的な財務会計研究が掲載されてきた会計専門誌である『會計』を分類・解釈することが中心であった。まず,先行研究を渉猟し諸外国を含めた財務会計研究の分類方法を分析した上で分類基準を構築し,次に,当該基準に沿って分類作業を実施した。分類基準は,研究方法による大分類と研究対象による中・小分類を設定し,現在までの30年間の傾向と当該基準の実効性を把握するために,5年ごと8年間を対象としてパイロット・スタディーを実施した。その結果,「規範的・記述的研究」が52.4%であることや,「実証・実験研究」が増加傾向にあり,2008年には21.8%の構成比であることなどの調査結果を得た。さらに,研究方法が明確でない論文が多いなどの傾向が認識された。 平成21年9月の日本会計研究学会大会にて,上記研究の結果を中間報告として発表し,同学会にて下記11にあげた図書を公表した。 現在は,平成22年9月の同学会大会において報告できるよう,分類作業の継続,分類基準の一部の精緻化,社会貢献としての財務会計研究の意義などについて研究を重ねている。 下記11に掲載した雑誌論文は,平成21年度における研究代表者・研究分担者・連携研究者の研究成果の一部である。
|