研究分担者 |
水野 一郎 関西大学, 商学部, 教授 (70174034)
長坂 悦敬 甲南大学, 経営学部, 教授 (00268236)
丸田 起大 九州大学, 大学院・経済学研究院, 准教授 (70325588)
篠田 朝也 北海道大学, 大学院・経済学研究科, 准教授 (50378428)
潮 清孝 中京大学, 経営学部, 講師 (90551747)
|
研究概要 |
本研究では,日本企業における生産管理と戦略管理会計の関係および融合について理論研究と経験的研究を行っている。そのなかで,まず今年度は以下のような成果をあげることができた。 生産プロセスの管理に関して,生産プロセスの設計段階に注目し,シミュレーションに基づく生産コストのフィードフォワード管理の検討を行った。その検討の一つとして,生産コスト・シミュレーション・ゲームの開発を行い,生産プロセスとコスト管理の統合的フィードフォワード管理の枠組みを提供した。近年,生産現場にも柔軟性が求められ,品質水準の高さも求められることから,単に生産効率を上げるだけでなく,柔軟性・複雑性に対応可能な生産管理会計システムを構築することが求められる。その管理会計の特徴は,タスク・コントロールというよりは,マネジメント・コントロールに位置付けられうるものである。かかる状況のなかで,生産ルーティンの管理に関して,京セラでは,余剰人員を積極的に活用することで将来収益力を増強し,管理会計的な視点でみれば,時間当たり採算を利用して機会損失を創出し,この機会損失を回避するプロセスを通じて全員参加経営の下で経営改革が行われ,将来を注意深く予測するフィードフォワード管理を駆使しながら,結果として高収益企業となったことが明らかになった。また,生産管理会計のグローバル展開を検討するための第一歩として,中国企業における経営管理システムに注目した。ハイアールの経営管理システムの中でもとくに最近管理会計の研究領域で注目されているSBU(Strategic Business Unit: 戦略的事業単位)に焦点を当て、ユニークだといわれるハイアールのSBUの意義と特徴を明らかにすることを目的とし,ハイアールの概要を確認し,つぎにその経営管理システムをハイアールの発展段階から考察したうえで,ハイアールのSBUの特徴を探ることができた。
|