様々な意味で「変動期」にある現代日本社会における、高校生とその保護者の社会的態度・社会的スキルの特徴、形成過程および階層再生産との関係について実証的に明らかにすることを目的として、「学校生活と社会に対する高校生の意識調査」を企画した。この調査を、2009年度の高等学校入学生とその保護者を対象に、2009年度(高校1年次在学中)から2012年度(高校卒業後1年目)までの毎年度、4回にわたる継続調査の形で行うことを念頭に計画を立てた。この計画を具体化するために、7月と8月に1回ずつ、研究代表者・連携研究者・研究協力者が集まる形で、研究打ち合わせ会議を実施した。7月の第1回研究打ち合わせ会議では特に、既存の調査データの再分析結果等を参考にして、調査項目と調査対象校選定について議論した。8月の第2回研究打ち合わせ会議では特に、社会的スキル研究の専門研究者を招いて、社会的スキルの測定に関する検討を行った。その後、電子メール等を利用し、高校教員からも助言を求めながら、研究代表者・連携研究者・研究協力者の間で、調査の全体的計画と第1回調査の自記式調査票とに関する議論を慎重に重ねた。2010年1月には、宮城県内の高校教育を所轄する宮城県教育庁高校教育課・宮城県総務部私学文書課を訪問し、調査実施に関して了承を求めた。その上で、調査対象校3校(県立2校・私立1校)に対して調査協力を依頼した。調査実施時期に関しては高校側との調整が難しく、結果的に、県立高校2校では2010年3月に第1回調査を実施することができたが、私立高校1校に関しては2010年度初めの実施という形になった。このため、当初は2009年度内に予定していたデータセット作成・単純集計・「速報」の発行が、2010年度に持ち越されることになった。
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