研究課題/領域番号 |
21330116
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
高橋 美惠子 大阪大学, 世界言語研究センター, 准教授 (90324871)
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研究分担者 |
善積 京子 追手門学院大学, 社会学部, 教授 (80123545)
斧出 節子 京都華頂大学, 現代家政学部・現代家政学科, 教授 (80269745)
松田 智子 佛教大学, 社会学部, 准教授 (50250197)
釜野 さおり 国立社会保障・人口問題研究所, 人口動向研究部, 室長 (20270415)
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キーワード | ワーク・ライフ・バランス / 父親の育児 / 子育て支援 / 潜在能力 / スウェーデン・EU |
研究概要 |
1.日本調査の結果のデータ化と英訳:平成22年度に未就学児をもつ就労中の有配偶男女計104名を対象に実施したインタビュー調査のテープ起こしを整理し、統一ファイルに入力してデータ化した。本研究と連携協力体制をとるストックホルム大学のB.Hobsonらが実施したスウェーデン調査ならびにハンガリー調査のデータと比較研究を行う目的で日本の入力データの英訳版を作成した。 2.調査結果の分析と考察:セン(A.Sen)の潜在能力アプローチをワーク・ライフ・バランス研究に導入したHobsonらによる分析枠組みを精査した上で、主に日本調査のデータ分析と考察を行い、その知見を2011年9月11日、「日本家族社会学会第21回大会」で報告した。 3.国際比較を通してみた日本のワーク・ライフ・バランスの課題の導出:スウェーデンをはじめとするEU諸国における父親の育児推進と両立支援策の動向ならびにワーク・ライフ・バランスの実践について検討し、日本の問題点を抽出した。仕事と家庭の両立にむけた潜在能力を高めるためには、第1に「両稼ぎ手/両ケアラー」の家族モデルを基本に就労者の権利を保障する社会システムの構築、第2に両立支援制度が利用可能な職場環境の整備、が急務であることを実証的に明らかにした。 4.研究成果の海外での公開にむけた作業:研究代表者の高橋は平成23年8月~9月にストックホルム大学を訪れ、Hobsonらと潜在能力アプローチによるワーク・ライフ・バランス研究の成果と今後の比較研究に関して意見交換を行った。その後、Hobsonを編者として、EU諸国と日本のワーク・ライフ・バランスに関する共著(英文)を刊行すべく、本研究チームにて国際比較のマクロデータと日本調査によるミクロデータを用いた研究の成果を整理し、一章を執筆した。同書は平成24年度中に出版が予定されている。
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