研究課題/領域番号 |
21330117
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
山中 浩司 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (40230510)
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研究分担者 |
中岡 成文 大阪大学, 文学研究科, 教授 (00137358)
霜田 求 京都女子大学, 現代社会学部, 教授 (90243138)
瀬戸山 晃一 大阪大学, 国際交流教育センター, 准教授 (00379075)
上山 隆大 上智大学, 経済学部, 教授 (10193848)
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キーワード | 体質遺伝子検査 / 規制枠組み / 商業化 / 消費者直販遺伝子検査 / 個別化医療 |
研究概要 |
今年度は最終年度にあたり、Aグループでは、日本、米国、欧州、中国における体質遺伝子検査の規制状況についてまとめ、日本生命倫理学会大会での報告を行った。体質遺伝子検査の規制については、現状では、確定的な規制枠組みはどの地域でも存在せず、状況は依然として流動的であるとの結論を得た。Bグループでは、1995-2009年における全国新聞での遺伝子検査の報道について議題およびフレーム分析を行い、その結果を日本社会学会大会において報告した。新聞報道では遺伝子検査は、一部着床前診断問題をのぞいてほとんど社会問題化することなく、体質遺伝子検査についての報道も学会等の声明をのぞいては、大きくとりあげられていない点に注目した。Cグループでは、体質遺伝子提供事業者への聞き取りを進め、ビジネスネットワーク状況の調査を行った。米国と日本における事業の進展の方向性や段階がやや異なる点を認めた。Dグループでは、遺伝カウンセラー、体質遺伝子検査を患者に提供している医療者、その利用者への聞き取りから、三者の見解の共通点と相違点について分析を行った。医療者、利用者からは比較的ポジティヴな意見があったが、カウンセラーの評価はネガティヴであった。これについて、研究成果を米国4S学会で報告した。Eグループでは、ウィーン大学のBernhard Hadolt教授との連携を模索したが、先方の研究資金が途絶したままであったため、同様の体質遺伝子検査に関する小規模な調査を比較として対照し、Hadolt教授とは日本に滞在中に詳細な情報交換を行った。
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