研究分担者 |
杉本 淑彦 京都大学, 大学院・文学研究科, 教授 (30179163)
山登 義明 京都大学, 大学院・文学研究科, 非常勤講師 (30456818)
上杉 和央 京都府立大学, 文学部, 准教授 (70379030)
吉村 和真 京都精華大学, マンガ学部, 准教授 (00368044)
山口 誠 関西大学, 社会学部, 准教授 (80351493)
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研究概要 |
本研究では、戦後の大衆的なメディアに焦点を当てながら、大衆文化にあらわれる戦争体験の継承と断絶の変容について、考察してきた。具体的には、個々の大衆メディア(映画,テレビ,マンガ,戦跡・資料館)における「戦争体験」を比較対照しながら、以下の点について検討した。 ・個々のメディアにおいて、いかなる戦争体験の継承が意図され、いかなる断絶が生じたのか。 ・そこでの「断絶」「継承」は、個々のメディアによっていかなる差異があったのか。 ・それは通時的にどのように変容したのか。 研究活動の概要は以下のとおりである。 (1)2ヵ月に1度程度の頻度で研究会を開き、個々の大衆メディア(映画,テレビ,マンガ,戦跡・資料館)における「戦争体験」について、発表・討議を行った。 (2)海外の研究者(グアム大学・オスロ大学など)と意見交換の場を設けたほか、グアム島等において、観光メディアと戦争の記憶の力学に関する調査(インタビューを含む)を実施した。 (3)「原爆」をテーマにしたマンガの代表的な作家である中沢啓治氏とこうの史代氏にインタビューを実施した。 (4)最終年度は、上記テーマの事例研究として、「ヒロシマ」に焦点をあて、それをめぐる個々のメディア(新聞・テレビ・映画・マンガ・観光・都市景観など)の文化力学について、調査研究を行った。 以上の成果をふまえて、福間良明・山口誠・吉村和真編『複数の「ヒロシマ」』(仮題・青弓社、2012年6月[近刊])を刊行の予定である。
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